未来が不確かな今、大切なのは「脱線する力」だと思う。
 レールから外れることを怖れない勇気。自分の足でどこまでも歩いて行けるという自信。
 それがある人は、どんな状況でも生き抜けるはずだ。
 

 
 9月20日に一緒にコラボ講演会を行ったかさこさんも「脱線力」を持っている人だった。かさこさんの本業は金融系ライターだが、自分が興味のある分野にはなんにでも足を突っ込む人だ。成功するか失敗するかあまり考えずに、とりあえずなんでもやってみる。誰かが歩いてきた道の後に続くのではなく、自分で道を切り開くタイプの人なのだ。
 

動画「三井とかさこさんの対談」
 

 僕は25歳で勤めていた会社を辞めて、旅に出た。そこから僕の「脱線人生」が始まった。
 辞めてからの展望なんて何もなかったし、「写真家になろう」と意気込んでいたわけでもなかった。とにかく敷かれたレールから外れて、自分の足で歩き出したかったのだ。
 
 僕の脱線力は、一人旅によって鍛えられた。旅はいつも予期しないトラブルの連続だ。面倒くさいことばかりだと言ってもいい。宿の手配から交通手段の予約、値段の交渉などなど、やるべきことはたくさんある。こういう雑事の一切を人に任せられるパックツアーだったらどんなに楽だろう、といつも思う。
 

 
 ツアーはとても効率よく名所を回れる。美味しいものを食べて、伝統舞踊を観て、遺跡の知識も得られる。素晴らしい「商品」だと思う。
 
 でも僕はあえて面倒な一人旅を勧めている。数々の面倒やトラブルを乗り越えて、たったひとりで街を歩き出すときの爽快感というのは、決してツアーでは味わえないものだからだ。
 

 

 
 身軽で、自由で、どこへでも歩いて行けるようなあの高揚感。見知らぬ路地に魅力を感じて、ずんずん進んでいくときの不安感。その先で思わぬ出来事に遭遇したときの興奮。それは一人旅でしか得られない。
 
 道を外れたって生きていける。
 なんくるないさー、が合言葉だ。
 さぁ、脱線してみよう。