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写真家・三井昌志の9冊目の著作『渋イケメンの世界』が11月16日に雷鳥社から発売されます。2年前に出版し、好評をいただいた『渋イケメンの国』の続編となる写真集です。
「目力が強く」「モテることを意識せず」「加齢を恐れない」渋すぎるイケメンたちが多数登場。汗と埃にまみれて働く男たちの一瞬の輝きを捉えました。
 
・出版元:雷鳥社 ・定価:1600円(税別) ・A5判変型 ・160p
 
書店販売に先駆けて、WEBで先行予約を開始しました(初回発送は11月8日を予定)。
ご注文は「たびそら通販部」からどうぞ。新作ポストカード3枚と著者サインも付けてお届けします。

 

たった30秒で「渋イケメンの世界」がわかるハイライト動画を作りました。ぜひBGMと一緒にお楽しみください。

 

 

働く男は、美しい

 前作『渋イケメンの国』が出版されてから2年のあいだ、僕はインドをはじめとする南アジア各地をバイクで旅しながら、ただならぬ存在感を放つ男――渋イケメン――たちにカメラを向けてきた。僕が(独断で)定義する「渋イケメン」とは「目力が強く」「モテることを意識せず」「加齢を恐れない」男たちのことだ。

 訪ねたのは、誰からも注目されることのない単純作業や肉体労働の現場ばかりだった。特別な仕事や伝統工芸などではない、ごくありふれた仕事場。そこにこそ、真の「渋イケメン」がいるに違いないと確信していたのだ。

 生きるために働く男たち。やるべき仕事に迷いなく打ち込む男たち。彼らの顔には人生がそのまま刻み込まれていた。後ろ姿には生き様がにじみ出ていた。外見にはほとんど気を遣っていないのに、痺れるほど格好良かった。

 

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ひとりひとりの仕事が、この世界を支えている

 インド社会はいま、変化の真っ只中にある。もともと血縁や村落共同体の力が強いインドでは、多くの人が「親の職業を子が受け継ぐ」という伝統にしたがって暮らしてきた。生まれ落ちたときからすでに将来の仕事が決まっている人がほとんどだったのだ。しかし、近年の急速な経済成長と技術の進歩にともなって、インドの伝統産業のあり方も変わりはじめている。かつて必要とされていた仕事が不要になり、まったく新しい職業が次々と生み出されているのだ。実際、僕が撮影した染色工場のひとつは、翌年に再訪したときには操業をやめていた。従業員は全員解雇されて、誰もいない廃墟になっていたのだ。

 何世代にも渡って受け継がれてきた仕事が、ひとつまたひとつとその役目を終えていく。そのような流れは誰にも止めることができないし、今後もさらに加速するだろう。だからこそ、僕はいま「働く人」を撮っている。そう遠くない将来、こうした仕事があったことさえ忘れ去られてしまう前に、人々が流した汗のきらめきや、真剣な眼差しや、無駄のない肉体美を、写真というかたちで記録しておきたいのだ。「ひとりひとりの仕事が、この世界を支えている」という確かな証拠を残しておきたいのだ。

 働く男は飾らない。飾らないから美しい。
 汗にまみれ、埃にまみれ、ときには鉄やアルミの粉にまみれながら働く男たちの横顔に、命のかがやきが宿ることがある。その一瞬をカメラで捉えるために、僕は旅を続けている。

 

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「渋イケメンの世界」のご注文は「たびそら通販部」からどうぞ。
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