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「この星のはたらきもの」 三井昌志
・2009年10月下旬発売
・発行元:パロル舎
・本体価格:2000円
・B5判変型 96頁 |
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2009年のはじめ。僕はアジアの田舎町をひとりで旅していました。
「百年に一度」の金融危機が世界中を混乱に陥れている――そんなニュースが連日テレビや新聞を賑わせていましたが、僕が旅したインドやカンボジアやバングラデシュでは、不況の実感はまったくありませんでした。
家畜を使って畑を耕し、種を蒔き、水をやり、収穫する。何百年も前からほとんど変わることのないサイクルを繰り返している人々は、好景気に踊らされることもないし、不景気に沈み込むこともないのです。
僕は旅先で出会った「はたらきもの」の姿を、数多く写真に収めてきました。
仕事そのものは決して楽ではないし、収入も多くはない。でも人々の表情には、貧しさも辛さも喜びも全部ひっくるめて自分の手と足で今を生きているんだ、という実感があふれていたのです。
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漁師、羊飼い、八百屋、料理人、大道芸人・・・・・・僕が出会った「はたらきもの」たちは、自分に与えられた役割をできる限り誠実に果たそうとしていました。
それが「生きる」ということなのだと、彼らの背中は語っていました。
当たり前のことです。
でもその当たり前のことを、僕らはいつの間にか当たり前だと感じられなくなっているのかもしれません。
何のために働くのか、誰のために働くのか。
そんな大切なことを見失っているのかもしれません。
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人は働くことによって、贈り物をしているのだと思います。
買ってくれるお客さんのために、養うべき家族のために、属している共同体のために、そしてこの世界のために。
誰もがささやかな贈り物をしている。
写真集『この星のはたらきもの』は、汗と埃にまみれた「はたらきもの」たちへの賛歌であり、「はたらきもの」たちからあなたへの贈り物でもあるのです。 |