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Dogubayazit , Turkey (2001/5)
 ドウバヤジットの町は貧富の差がはっきりしていた。青い制服を着て学校に向かう子供と、彼らと反対方向へ向かって歩く物売りの子供。物売りの子は商売道具の入った木箱を小さな肩に下げ、穴の空いたセーターを着て、寒い手をポケットに突っ込んで歩いていく。
 彼らはたいてい一人で、大人達を相手に商売をしている。チャイハネにいる男達の靴を磨いて回ったり、粗悪品のチョコレートや煙草を売り歩いている。
 学校の校庭でサッカーをして遊ぶ同年代の子供を、金網越しに見ている靴磨きの少年がいた。羨ましいのだろうか。それとも馬鹿にしているのだろうか。醒めた視線の真意は僕にはわからない。彼はしばらくサッカーを眺めてから、また客を探しに歩きはじめた。