会いたかったのは、この笑顔だったんだ。 　ファインダーを覗きながら、僕はそう思った。カンボジアでのバイク旅行『バタフライ・ライフ』を始めた日、ありふれた農村で水遊びをする子供たちの姿をカメラで追った。子供たちは思いっきり笑っていた。一点の曇りもないまぶしい笑顔。南国の強い日差しにも負けない心からの笑顔。タイは「微笑みの国」だと言われているけれど、カンボジアには微笑みなんてマイルドなものはなく、口を開けて思いっきり笑うのだ。