東ティモールという国はいったいどのような土地なのか。その具体的なイメージを描けないまま、僕は首都ディリにあるこぢんまりとした空港に降り立った。
その国についての情報をほとんど持たないまま旅を始めるのはいつものことだったが、治安や交通事情や宿の有無といった旅に必要な基本的な事柄でさえ知らないまま空港に降り立つというのは、やはり少し不安だった。
しかし、そんな不安感は人々の笑顔によってすぐに消えてしまった。隣国のインドネシア人も陽気で明るかったが、東ティモールの人々はそれに輪をかけて陽気だったのである。