2005年1月26日は、津波発生からちょうど1ヶ月に当たる日であり、スリランカ全土の仏教寺院で慰霊のための供養が行われた。僕はスリランカ南部のティッサマハーラーマという町で、その供養に参加した。
人々は菩提樹の周りを囲むようにして並べられた灯明の側に集まり、両手を合わせてお経を唱えた。灯明の明かりは風に揺れ、祈りを捧げる子供達の横顔を幻想的に照らしていた。
菩提樹の枝の間から、ほぼ満月に近い明るい月が顔を覗かせていた。ちょうど1ヶ月前、津波がこの国を襲ったのはスリランカの仏教徒にとって特別な日である満月の朝だったという話を僕は思い出した。