スリランカ南部の田園地帯で、特に印象的だったのが水路沿いの道だった。このあたりは水に恵まれた土地であり、灌漑用の水路が下流の田んぼに水を供給しているのである。 　僕は滑らかな水路に沿った道をバイクで走り続けた。青々とした水田とバナナ農園が広がり、ところどころに椰子の木に囲まれた人の家がある。水路には水量を調節するための水門がいくつか設置されている。 　水路際の斜面で草を食べていた水牛たちが、牛飼いに追われて川を渡り始める。穏やかで美しいスリランカを代表するような光景だった。