森の中から出てきたらしい猿の集団に、子供たちがパンをやっていた。
猿たちはかなり人間に慣れているようで、怯えながらも手を出して、そのご馳走を受け取っていた。その仕草はなかなかユーモラスだ。
ところが隣に住むご婦人は、この餌付け行為が気に入らないらしい。彼女はゴムカタパルト式のパチンコを使って猿めがけて小石を発射するのである。
「あんたたちが餌をやるから、猿がいっぱいやってくるんだよ! うちはそれで迷惑しているんだ。ごらんよ、ここで育てていた野菜だって、みんな猿に食い荒らされている!」
ご婦人の怒りはなかなか収まらず、猿が慌てて逃げ出してしまっても、まだ怒鳴り続けていた。野生動物と人の共存というのは、ここスリランカでも問題になっているようだった。