ネパールの山村に住む人々にとって、水の確保はもっとも重要な問題である。毎日雨が降る雨季はともかく、乾季になると遠くの水源まで水を汲みに行かなくてはならないのだ。 　しかし、この村の場合は、数年前にコンクリート製の大きなタンクを作ったおかげで、数ヶ月分の水を蓄えられるようになり、生活も楽になったという。 　その貯水タンクから水を汲み上げて水瓶に注ぎ、自分の家にまで運ぶのは子供たちの仕事である。タンクはかなりの高さがあるし、足場も濡れていて不安定なのだが、女の子たちはそんなことを気に掛ける様子もなく、黙々と仕事をこなしていた。 　普段の山歩きで鍛えられている彼女たちは、足腰の強さと抜群のバランス感覚を身につけているのだ。 Nepal ( 2005/10)