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Mongolia (2001/8)
 モンゴルの遊牧民の朝は、羊の堵殺で始まる。
 群れの中から一頭が選ばれ、引きずられてくる。若い男が羊の腹に小刀を突き刺し、すぐさま右手を腹の中に刺し込んで、文字通り「心臓を止める」のである。時間にして10秒ほど。その間、羊は鳴き声ひとつ上げない。