石ころだらけの黒い砂漠を1時間ほど走ったところに、人の住む集落があった。集落と言っても、たった三軒の農家とひとつの学校があるだけである。あとは見渡す限り不毛な大地が広がるばかり。それは「地の果て」とか「月の静かの海」という言葉が相応しいような世界、ダリの絵に出てきてもおかしくないような現実離れした光景だった。

Sahara desert, Morocco ( 2005/03)