「私が子供の頃は、ずっと向こうの方まで緑が広がっていたんですよ」
 とガイドのオマールは言った。今、彼の視線の先にあるのは、乾ききった砂だけである。サハラ砂漠は毎年2〜3mずつ拡大していて、メルズーガのオアシスはそれに飲み込まれようとしている。地下水の量も年々減り続け、畑を維持するのも徐々に難しくなっている。
 子供たちが水を汲みにやってくる井戸が枯れるのも時間の問題だろう。

Sahara desert, Morocco ( 2005/03)