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目の覚めるような美しい渓流が流れる小さな村で、一人の少女と出会った。
まだ6、7歳なのに、幼い弟をしっかりと腕に抱えて、柱の影からこちらを見ていた。髪の毛はパサパサで、鼻水を垂らしたあとが白く残っていた。どこにでもいる、ごく普通の農家の娘だった。
でも、少女のまっすぐな瞳には、他の子とは違う輝きがあった。ただ可愛らしいというだけではなく、そこには凛とした気高さが宿っていた。
特別な少女なんだ、と僕は思った。ある時期に現れて、そしてある時期を境に消えてしまう特別なオーラを、この子は身に付けている。
風に揺らめくろうそくの火を写すような気持ちで、僕はシャッターを切った。 |
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