67.頬杖の少年 (シリア)
シリアの首都ダマスカスは、迷路のように複雑に入り組んだ町だ。昔ながらのスーク(市場)は人で溢れ、由緒あるモスクは礼拝を行う人で賑わう。
日中は歩くのが嫌になるほど気温が上がるシリアだが、路地裏は意外にひんやりとしている。石積みの分厚い塀が外気を遮断し、町のいたるところにある藤棚が心地よい日陰を作り出している。
そんな藤棚の下で、頬杖をつく少年に出会った。