97.遊牧民の少年 (モロッコ)
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 モロッコ中部を貫くアトラス山脈。雨が少なく、硬く乾いた草しか生えない厳しい土地で暮らす遊牧民の家族に出会った。一家は洞穴のような場所で身を寄せ合うように暮らしていた。
 山羊と羊の群れを統率し、草地から草地へと移動させるのは10代の兄弟の役割である。
 少年が右手に持っているのは投石機だ。これを使えば普通の小石を200m以上も先に投げることができる。彼はこの投石機と口笛を使って羊たちを意のままにコントロールしていた。