インドを旅していると、様々な動物に出会う。野良犬や野良猫、鳩などの鳥はもちろんのこと、牛や山羊や猿やクジャクなど、日本ではあまり目にすることのない動物が町を闊歩している。
当然、町は動物の糞だらけだが、それを気にする人はいない。インドでは「人間も動物も同じ世界に生きる一員であり、両者を分け隔てる線などどこにもないのだ」という認識が穏やかに共有されている。
インドでは街中で山羊を見かけることが多い。なぜかタンクトップを着せられているこの山羊は、尻尾を振りながらウィンクしていた。山羊って意外に愛嬌があってかわいい動物だ。
リキシャにのせられて、インドの町を疾走する山羊を流し撮り。狭い座席にぎゅうぎゅうに押し込められているわりに、気持ちよさそうな顔をしている。風を感じているのだろうか?
牛と鳥の共生関係。インドには野良牛があふれているが、こんなに大量の小鳥に乗られている牛を見たのは初めてだ。牛の方はちょっと迷惑そうだが、鳥には何かのメリットがあるのだろう。
インドの町を徘徊する野良牛が、工具店の前に陣取って動かなかった。「なんかエサくれねぇと一歩も動かないよ」という固い決意を感じさせる姿勢で、3分ほど店の前に居座っていた。物乞いでもここまでしつこくはない。さすが「牛さま」である。
路上でひなたぼっこする山羊と野良犬と鶏。インドの街角はさながら小さな動物園だ。思い思いの格好で、それぞれの午睡を楽しんでいる。
朝、穏やかに降り注ぐ日差しをたっぷり浴びたいと考えるのは人も犬も同じようだ。よく見ると、野良犬とおじさんが全く同じ格好で手と足を組んでいた。
台車の上で眠るインドの野良犬。この国の人々の野良犬に対するまなざしは、優しくもないが厳しくもない。「ただそこにあるもの」として存在を許容している。
インドでは野生のインコをよく見かけるが、鳥かごに入れて家で飼う人も多い。逆に猫はヒンドゥー教徒に嫌われていることもあって、あまり見かけない。この2ショットはインド的には珍しい。
昨日、生まれて初めてラクダのミルクを飲んだ。クセが全くなく、少し味が薄い牛乳みたいで、とても飲みやすかった。キャメル・ミルクは低脂肪で栄養豊富な飲み物として中東や欧米で人気が高まり、インドからドバイへ輸出している業者もいるという。
朝、窓の外を眺めてみると、美しいクジャクのつがいが隣家の屋根の上を歩いていた。オスがメスの気を引こうと近づいているようだ。インドでは野生のクジャクを頻繁に目にする。人を警戒することなく、ごく当たり前に町の光景に馴染んでいる。