質問:カメラを持たずに後悔したこと
私も写真は大好きで、青空と人の笑顔を撮るのが大好きです。
でも、やっぱりいつでもカメラを持っているわけではなくて、「あ~今カメラ持っていればよかったぁ。。」と感じたこと数知れず。
そこで三井さんに質問です。
もし、とても素敵な瞬間に立ち会えたときに、たまたま手元にカメラがなくて、ちょっと取りに行けば持って来られるような状況だった時、三井さんならどうしますか?
せっかく出会えたその瞬間を大切に感じて、最後までその場でその光景を目に収めるか、それともカメラを撮りに行っている間に終わってしまうかもしれない事を覚悟して、それでも写真を撮りたいと思うか、それとも、そんな事が絶対に起きないぐらい肌身離さずカメラを手元に持ち続けているのでしょうか?(笑)
私はいつもこの究極の選択に悩まされます。
私の場合は素敵な瞬間や、人のふいな笑顔に出会えることは、決して狙ったり待っていて起きる事ではないだけに、その瞬間に立ち会えた事に感謝して、いつも写真を諦めてしまうのですが、やっぱりその後ちょっと後悔なんですよね。。
三井の答え
もちろん答えは「肌身離さずカメラを持つ」です。持つだけではなく、常にシャッターを押せる状態で持っておく。これも非常に重要なことです。だから僕は街を歩いているときに、カメラをバッグには入れていません。
「いい被写体にめぐり会う」「カメラバッグを開ける」「スイッチを入れる」「カメラを構える」このような一連の動作にかかる数秒間で、大切なシャッターチャンスを逃すことも多いからです。
イチローも「準備が何よりも大切だ」と言っていました。バッティングはピッチャーがボールを投げてから始まるのではない。ピッチャーが投球動作に入る前から、あるいは打席に入る前から、万全の状態にしておかないと、いいバッティングはできないということなのでしょう。
写真――特に一瞬の表情を捉えるスナップ写真――にも、同じことが言えると思います。心を動かされる被写体にいつ出会えるかわからないのだから、そのために万全の準備をしておかなければいけない。カメラを身につけずに外を歩くなんてあり得ない。野球選手がバットを持たずに打席に入るようなものです。
・・・とは言え、僕も旅のあいだ常にカメラを持ち歩いているわけではありません。一眼レフなんて重いし、邪魔だし、だから夜になってちょっとご飯を食べに行くとか、買い物をしようと街に出たときなどには、カメラを持たないこともあります。前言を翻すようだけど。
そういうときに、いい被写体に出会ってしまったらどうするか?
まぁ諦めますね。諦めて、特に後悔はしない。
そして、また別の場所で別の出会いがあるだろうと信じて、歩き続けるわけです。