オリッサ州はインドの中でも比較的女性が撮りやすい地域だ。特に山岳地帯に住むアディヴァシと呼ばれる先住民たちは、伝統を重んじる保守的な村社会をいまも維持しているのだが、にもかかわらず女性たちは意外なほど陽気でおおらかな性格だった。インド北部の農村部でよく見られる封建的な雰囲気とはかなり違っていて、カメラを向けても嫌がられることが少なかった。東南アジアのように女が強く、男がおとなしくて控え目なのだ。

 

india17-03139生け花のように美しい、インドの女性。

 

india18-03447アディヴァシと呼ばれる先住民の女性が孫を抱いている。突然の来訪者にも落ち着き払った視線を向けてくれた。

 

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アルミ製の水瓶を頭に載せて運ぶ女。水がたっぷり入った器を4つも重ねて歩くのは至難の技だが、幼い頃から鍛えられたバランス感覚があるので、水をこぼすことはない。インド人の身体能力はハンパないです。

 

india18-05891家の外に作られたかまどに薪をくべて、大きな鍋でご飯を炊いている女性。煙に巻かれて涙を流しながらの料理は、楽な仕事ではない。

 

india17-03695村の教会で行われていた日曜ミサの様子。オリッサ州の山岳民にはキリスト教徒が多く、日曜日には教会に集まって牧師さんの話を聞き、賛美歌を歌う。教会に集うのは圧倒的に女性が多く、男性は2割程度だった。

 

india18-02128インド南東部オリッサ州で出会った笑顔の少女。背後の壁にはオリッサ州の地図が描かれている。オリッサ州は日本の4割ほどの面積があり、4300万人が住んでいる。

 

india18-06268インド南東部オリッサ州の村で、ワラを運ぶ少女。刈り取りが終わったあとの稲藁は、家畜のエサとして使われる。子供も大人も頭にワラをたくさん載せて、足早に歩いていた。

 

india18-07014山村で出会った少女。貧しい農家の娘だが、さりげなくオシャレだ。少し憂いをおびた表情も素敵だった。

 

india18-07705インド南東部オリッサ州の村で、家の壁を塗りなおす女。赤土で塗られた伝統家屋は、定期的に塗りなおすことで滑らかな美しさを取り戻す。

 

india17-02871年老いた母親を抱きかかえる男。病院も薬局もないインドの山村では、よほど大きな病気にならない限り自宅療養で治すのが一般的だ。このおばあさんは一日の大半を寝て過ごしているが、朝食後のわずかな時間だけ表に出て、やわらかな日差しを浴びている。