ミャンマーの女たちはとてもよく働く。男たちがのんびりとお茶を飲んだりトランプに興じていたりする隣で、女たちが勤勉に働いている光景は、ミャンマーだけではなくタイやベトナムなどの東南アジア諸国に共通して見られるものだ。「男はいざというときに働けばいいのさ(その「いざ」がいつ来るかは知らないけど)」というのが、東南アジア的労働観なのだ。
古い足踏み式ミシンで服を縫う女性。ミャンマーの市場には小さな仕立て屋が集まる一角があって、主に女性が着る服をオーダーメイドで作っている。凜とした佇まいが素敵だった。
乾燥させた小エビからゴミを取り除く仕事をしていた女性が、満面の笑顔を向けてくれた。
ミャンマー中部の町マンダレーに、米粉の麺を作る工場があった。機械で伸ばした生地を天日干しして乾かしてから、細く切っていく。ミャンマーの国民食「モヒンガー」もこうしたライス・ヌードルを使っている。
ミャンマーの農村で働く女たち。大きなクワでピーナッツ畑の雑草を刈っている。ピーナッツは茹でたり炒ったりして食べるほか、食用油の原料にもなるので、ミャンマーではよく植えられている作物だ。また、豆類の根につく根粒菌は大気中の窒素を固定するので、畑の土壌にとって肥料にもなる。
ミャンマー第二の街マンダレーの工場でお菓子を作る女性。お米に圧力をかけて膨らませたポン菓子に甘く味付けした昔ながらの駄菓子だ。子供の目を引くためにどぎつい色を着けている。ミャンマーでは「着色料不使用」が売りになるわけではないようだ。
ビンロウの実を選別する女性。ミャンマーの国民的嗜好品「コオン」は、このビンロウの実を刻んだものに石灰を混ぜ、キンマの葉っぱで包んだもの。コオンを噛むと化学反応によって唾液が真っ赤に染まり、強烈な覚醒作用が得られる。ミャンマー人の歯が赤黒く変色しているのも、このコオンのせいだ。
ミャンマー第二の都市マンダレー郊外で、素焼きの水瓶を作る女性。窯で焼いた水瓶に穴が空いていないか、ひとつひとつ丹念にチェックしている。水瓶はひとつ1000チャット(70円)という安い値段で売られている。
国民の8割が仏教徒であるミャンマーでは、仏像づくりが盛んだ。特に中部の街マンダレーには、大理石の仏像を作る工房が軒を連ねている。顔に日焼け止めのタナカを塗った女性たちが、仏様の顔を丁寧に磨いていた。
マンダレーにある工房で、若い女性が大理石の小さな仏像をグラインダーで磨いていた。ハンマーとノミを使ったおおまかな作業は男性が担うが、研磨などの繊細な仕事は女性の役割だ。
ミャンマー中部マンダレーで、日除けの笠をかぶった女性が大理石の仏像を磨いていた。ピカピカになるまで大理石を研磨する仕上げの工程は、特に根気強さが求められている。