熊本県の有明海沿岸で「くやく」をしていた漁師のおばさんに出会った。
「くやく」とは海の掃除のこと。海底にたまったヘドロを掃除して、アサリが育ちやすい環境を作ってやるのだという。
「有明海はもう昔のように豊穣の海じゃないんよ」と漁師は言う。「昔のようにアサリが軽トラ一杯捕れるようなことはもうないやろうな」
海が痩せた原因は、沿岸の工業化や気候の変化、それに諫早湾の干拓事業による影響も大きいという。湾が堤防で仕切られたことによって潮の流れが変わり、対岸の熊本県側の生態系にもダメージを与えているのだ。
【熊本県玉名市】

Japan (2010)