笑顔の国 (カンボジア 2001)
 内戦の傷跡が残る国。地雷が埋まっている危険な国。カンボジアはまだそんな風に語られることも多い。でも人々のごく当たり前の笑顔からは、過去の歴史の影のようなものを感じることはなかった。
 カンボジアにいるのは酒好きの男達と、働き者で笑顔の絶えない女達だった。中でも、この子の笑顔は印象に残っている。裸で痩せっぽっちで、決して豊かとは言えない農家の娘だったけれど、その瞳は澄んでいた。
 この子の笑顔が、この国の明日を表しているのかもしれない。僕はそんな風に思った。