酷暑のインドをブドウで乗り切る
バラナシでの撮影ツアーを終え、旅の最終盤はインド東部の内陸を通って、オリッサ州に向かった。
3月下旬のインド内陸部はとにかく暑い。最高気温が40度を超える日もあった。暑さに参り、悪路の砂埃にやられ、安宿のうるささと硬いベッドにうんざりして、「インドやだ」モードにもなった。こんなことぐらいで弱音を吐いていたらダメだと思うのだが、ストレスが重なると撮影に向かう気力がなくなってくるのだ。
暑さで食欲が落ち、ビタミンも不足してくる中で頼っていたのは果物。特にブドウはよく食べた。1kg60~100ルピーと安く、みずみずしくて甘い。試食は自由なので、ハズレの心配もないのがいい。「これいくらなの?」と聞きながら、台車の上のブドウをひとつ口に入れて、美味しければ買うし、イマイチだったら他の店に行く。そうやって、なるべく新鮮で皮に張りがあるブドウを選んでいた。
ついにゴール!
3月28日にバイク旅のゴール地点であるオリッサ州プリーにたどり着いた。3ヶ月間で1万5000kmを走りきり、6回目のインド一周の旅も無事に終了した。
(写真で6本指を立てているのは「6回目!」のサイン。世界選手権6連覇、みたいなときにアスリートがやるアレです)
毎年インド旅を繰り返してきたけど、「インドの専門家」という意識はないし、インド写真のスペシャリストを名乗るつもりもない。なんとなく「今年もまたインドかなぁ」を繰り返していたら、6周もしていた。行き当たりばったり、風に吹かれるまま、10万キロを走ってしまった、というのが正直なところ。
インドを撮る写真家には偉大な先輩や巨匠が数多くいて、僕はまだ足下にも及ばない。そういう意識が再び僕をインドに向かわせている。13億の人口を持つ広大な国・インド。「撮り尽くした」と満足することはこの先もないだろう。だからまた戻ってくる。I will be back!
インドの食べ物(軽食・スナック編)
インドの食事は基本的にカレー。でもずっとカレーを食べ続けているとさすがに飽きてくるので、たまには違うメニューやスナック菓子、ジャンクフードなどを見つけて食べていた。
ドミノピザはインド最大規模のピザチェーン。大きな街に行けば必ずある。値段設定は高めなので、ときどきしか行かないけど、マサラ味を逃れたいときには強い味方。写真はデリーで食べたチキンティッカピザ・レギュラーサイズ、215ルピー。
インド製カップヌードル「リッチ・マトン・カレー味」。味はあまり期待していなかったが、なかなか美味しい。日本のカップヌードルのクセになる後味はないが、麺は日本製と同等で、スープも辛すぎず、マトンの味もちゃんとする。50ルピー(90円)はやや高価。量も少なめだ。
インドのチョコビスケット「DEUCE」は、あの「アルフォート」そっくりの味で、とても美味しい。ビスケットの塩気と、ホワイトチョコがすごく合うのだ。量が少ないわりに30ルピーと高額なので、地方の街ではなかなか売っていないが、グルガオンのスーパーでついに発見。3袋購入しました。
息苦しいほど暑いインドの暑季をやり過ごすのに欠かせないのがかき氷。毒々しいまでにカラフルな着色料たっぷりのシロップをかけてもらって、少女はご満悦の表情。
ドーサ専門店で、チーズ・ナイロン・ドーサを食べる。文字通りナイロンのように極薄に焼いたクリスピーなドーサに、たっぷりとチーズを載せてある。チーズとドーサ生地はどちらも発酵食品だから相性がいい。ドーサでありながらドーサでない、新感覚のスナック。55ルピー。
ラジャスタン州にあるレストランでタンドリーチキン(170ルピー)にかぶりつくと、肉のうまみが口いっぱいに広がった。インド北西部はベジタリアン食堂ばかりなので、久しぶりの肉だ。やっぱり、肉を食べると元気が出る。
インドの街角で売られている定番のスナック「パニプリ」。全粒粉の生地をピンポン球状に揚げたプリの中に、ひよこ豆、ジャガイモ、タマネギなどを入れ、スパイシーな緑色の冷たいジュースを入れてから、パクッと一口で食べる。実にインドらしい不思議な味。「美味しいか?」と聞かれて「うーん」と唸ってしまった。