7月24日と26日に開催する「オンライン旅トーク」の第1回はインド北部の秘境ラダックについてお話しします。
ラダックと言えば、6月16日にインド軍と中国軍が衝突し、20名以上の死者が出たというニュースがありました。インド北部カシミール地方は長年パキスタンとの国境紛争を抱えていますが、カシミールの東に位置するラダック地方は中国と国境を接しています。
軍事的にとてもホットなエリア。なので、ラダック地方の幹線道路には常に軍用車両が行き交っています。
インド軍と中国軍が衝突したインド北部ラダック地方は、中国だけでなくパキスタンとも国境を接しているので、道路はいつも軍用車両が行き交っている。この動画のように、標高5000mの険しい峠道を、何十台もの軍用トラックを追い抜きながらバイクで走り抜けるのはなかなか大変だった。 pic.twitter.com/WOQ3A4EHSF
— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) June 18, 2020
インドと中国が国境紛争で死者を出すのは1975年以来、45年ぶりのことだそうで、現場の兵士同士の突発的な出来事だった可能性が高いようです。
こうした突発的な軍事衝突に対しては「お互いに一歩も引かない姿勢」を見せて、国内世論から「弱腰」との批判を受けないようにしつつも、どこかで妥協点を探って、これ以上の緊張を避けるんじゃないかと思います。インドも中国もこれが戦争に発展することは望んでいないだろうから。
ちなみにこの軍用トラックが走っている動画を撮影したのはタグラン・ラ峠で、GPSによれば撮影地点の標高は5313m。酸素濃度は地上の半分しかないけど、バイクは意外と普通に走ります。ただ、寒い。9月半ばでも雪が降りました。
ラダックで乗ったバイクは、インド・バジャージ製の220cc。ロイヤル・エンフィールドのような大型バイクではないけど、これでも5000m級の峠道を越えるのに十分なパワーがあります。1日のレンタル料は700ルピー(1100円)でした。
今回の衝突の現場に近いヌブラ渓谷。このエリアは異様に軍隊が多くて、しょっちゅう軍用車両を追い抜かなくてはいけなかった。
このように緊張が高まっているラダック地方ですが、たとえこの事件がなくても、今年は新型コロナウイルスの影響で、外国人観光客がラダックを訪れるのは難しい状況です。僕も去年に引き続き、今年もラダックをバイクで旅しようと考えていたから、残念な気持ちでいっぱいです。
もちろんこの状況がずっと続くわけではありません。今は暗いニュースばかりだけど、再び自由に旅ができる日が必ずやってくる。僕はそう僕は信じています。
44秒でラダックを旅するショートムービーが完成。標高4000mオーバー。インド北部ラダック地方のバイク旅は、この世のものとは思えない絶景の連続でした。 pic.twitter.com/qF8QI4uIDL
— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) November 8, 2019
この動画を見ても、絶景スポットとしてラダックのポテンシャルの高さを感じます。唯一無二。ここにしかない風景の連続でした。
インド北部の秘境ザンスカールに向かう道で、羊の群れが道を塞いでいた。羊飼いの男が「ヤー、ジュレー!(こんにちは)」と話しかけてくる。
「どこから来た?」「ジャパンだよ」
車もバイクも滅多に通らない辺境の地は、素朴な出会いにあふれていた。 pic.twitter.com/hY7TszrAe6— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) July 14, 2020
ザンスカールの中心であるパドゥム全景。商店街があるだけの小さな町だ。険しい山に周囲を囲まれた盆地は、「風の谷のナウシカ」に出てくる「風の谷」をイメージするといいかもしれない。ザンスカールの人々は周囲から孤絶した僻地で長年暮らしてきた。
インド北部ラダック地方のバイク旅は過酷だ。特にザンスカールへ向かう道はひどい。未舗装のガタガタ道が200km以上も続き、雪解け水が流れる場所を突破しなくてはいけない。ローギアで一気に進まないと立ち往生してしまう危険な場所だ。 pic.twitter.com/bgRmciVDEb
— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) June 22, 2020
インド北部の辺境ザンスカールには、信じられないほど危険な道もある。ひとつ間違えば谷底に真っ逆さま、という峠道をバイクで走るのは相当にデンジャラスだ。でも轍が2本ついているのを見ると、ここを四輪車で走る人もいるようだ。すげぇな。 pic.twitter.com/2yNa8aYdPG
— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) June 23, 2020
ラダック地方の南にあるスピティ谷も、辺境バイク旅を愛する者には特別な場所だ。ほぼ垂直に切り立った岩山の縁に造られた道路は、まさに「天空の道」と呼ぶにふさわしい浮遊感と恐怖が同時に味わえる道だ。それにしてもよくこんなところに道をつくったものだ。 pic.twitter.com/0qwRYKyUHr
— 三井昌志 (@MitsuiMasashi) June 19, 2020
スピティ谷全景。荒々しく切り立った岩山の上から、スピティ川の流れとカザの町を見下ろす。辺り一面、人の気配も動物の気配もない。そこに存在するのは空と雲と岩肌だけだ。
7月24日と26日に開催する「オンライン旅トーク」では迫力満点の動画と絶景を捉えた写真をご覧いただきながら、ラダックの魅力について語り尽くします。
興味がある方は、ぜひ参加して下さいね。