7月9日から再びインドにやって来た。今回は一人旅ではなく、5人の写真家と一緒に北部のラダック地方を巡る予定。

 ラダックを含むジャンムー・カシミール州を訪れるのは初めての経験だ。僕は今まで12月から4月までの比較的涼しい時期にインドをバイクで旅していたわけだが、その時期のラダック地方は雪に閉ざされ、バイクで回るのは不可能だった。

 

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 ラダックに来てまず驚いたのは、光の強さと美しさだった。標高3500mという高地にあり、年間降水量が80mmと極端に乾燥した気候なので、日差しは常に強烈で、空はあまりにも青いのだ。写真はレーの町を見下ろす高台にあるナムギャル・ツェモ・ゴンパ。

 

 標高3500mにあるレーの町は、空気が薄いので高山病になりやすいので、特に初日は注意が必要だ。高山病を防ぐためには、

1.深呼吸する
2.水をたくさん飲む
3.無理に動き回らない
4.昼寝をしない
5.お酒と煙草は避け、食べ過ぎない

 これを守っていたお陰で、初日の午後からは元気に歩き回ることができた。

 

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 レーの町はインターネットがすさまじく遅く、ツイッターを見るだけでもひと苦労。それでもレーはまだマシで、田舎になると携帯電話の電波すら入らなくなる。インド政府は全国に光ファイバー網を整備する計画を急ピッチで進めているから、3,4年後にはこの状況が一変する可能性はあるけど、今のところラダック地方は「デジタル・デトックス」に最適な土地だと言っていいだろう。

 

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 レーの町で、ランチに蒸し餃子「モモ」をいただく。チベットやネパールなどヒマラヤ山岳民の代表的な料理モモは、皮が分厚くてもっちりとした食感。ラダックでは羊肉を使ったモモが一般的だが、ここで一番美味しかったのはほうれん草とチーズのモモ。チーズの後味が最高だった。

 

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 レーの北にある標高5600mの峠カルドゥン・ラを越えてヌブラにやってきた。峠には7月でも雪が融けずに残っている。午後になると雪解け水があちこちで急な流れを作り、我々を乗せた車もその流れにつかまって立ち往生してしまった。ちょうど通りかかったトラックに引っ張ってもらって脱出したのだった。

 

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 ラダックの魅力は、なんといっても大自然だ。あまりにも雄大で荒々しい自然を前に、圧倒されっぱなしだ。自然を撮るのがこんなにも面白く、こんなにも難しいってことに、今更ながら気付かされる日々だ。

 

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 ラダックは、僕が知っているインドとは何もかもが違っている。空はどこまでも青く、雲はあくまでも白い。どれだけ目をこらしても人の姿はないし、人工物も見えない。どれだけ耳を澄ませても、風の音しか聞こえない。インドは広かった。想像を超えて広い世界だった。

 

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 ラダックでバイク旅をするのは思った以上に簡単だ。レーの町にはレンタルバイク屋が何十軒もあって大盛況。そのうちの9割が350ccのロイヤルエンフィールドだけど、今回僕が借りたのはひとまわり小さな220ccのバジャージ製バイク。それでも十分なパワーがあり、標高5000mの峠でもラクに登れる。

 

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india18-85859 昼食にマギー(インスタントラーメン@もちろんカレー味)を頼むと、店主が「これも食えよ」と庭でとってきたアンズの実を出してくれた。今、ラダックはアンズの実が色づく季節。ほんのりとした甘みがとてもうまかった。