インドの町を歩いていると、地元の人から「何の写真を撮っているんだ?」と聞かれることがある。
「人を撮っている。インドの伝統文化や暮らしに興味があるから」と答えると、
「だったら近くの湖に行け。美しい鳥がいる。いい写真が撮れるぞ」なんてことを言われたりする。「写真=風景or野生動物」という定型から離れられない人は多い。ましてや「働く男の渋いカッコ良さを撮っている」なんて言っても、ほとんどの人には理解されない。
 でも本当にカッコいいんだよ、美しいんだよ、素敵なんだよ。僕はいつもそういう気持ちで渋イケメンたちを撮っている。

 

india19-91892インドの街角で出会った男が何気にオシャレだった。モデルでもないし、ポーズを作っているわけでもない。このままの格好で午後の日差しを浴びていたのだ。ちなみに背後のフェンスは古いノコギリの歯でできていて、かなりデンジャラスだ。

 

india19-55645インド西部グジャラート州でスパリを刻む男が渋イケメンだった。スパリとはインドの伝統的嗜好品「パーン」の中身で、ビンロウの実を乾燥させたもの。このスパリと石灰の粉をキンマの葉で包んだものを、口に入れてくちゃくちゃと噛んでいると、唾液が真っ赤に染まる。強烈な覚醒作用と中毒性がある。

 

india19-56905インド西部グジャラート州の農村をゆっくりと走る牛車。白い服に白いターバンという伝統衣装を着た男が、農作物を運んでいた。トラックやトラクターも普及しているが、牛や馬の力にもまだまだ頼っているのがインドの農村だ。

 

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インド北西部ラジャスタン州の街角で出会った男が素敵だった。赤いターバン、青い目、アクセサリー類やマフラーまでばっちり決まっている、絵に描いたような渋イケメンだった。

 

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グジャラート州で出会った渋イケメン。着古したジャケットがよく似合っていて、昔のデビッド・ボウイみたいにスタイリッシュだった。

 

india19-58835一畳にも満たない狭い店で、古い足踏み式ミシンを使う仕立て屋の男。狭いながらも一国一城の主という感じで、マイペースで仕事をしていた。インドの旧市街にはこうした零細自営業者が数多くいる。

 

india19-68666インドでは「何の商売なんだ?」と首をひねりたくなる店を見かけることがある。超狭い空間に、古いアクセサリーやガラス瓶、年代物のラジオやバイクのオイルなどを並べた謎の店の主は、特に何をするでもなく、一日中ここに座っていた。特に何かをしなくても生きていけるんだな、と妙に納得してしまった。

 

india19-78664インド北西部ラジャスタン州の市場でニンニクを売る男は、濃いヒゲの持ち主だった。インドの渋イケメンにヒゲは欠かすことのできないアイテムだ。髪型と共にヒゲ型も整えるのが男の身だしなみなのだ。

 

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くわえ煙草が似合うインドの渋イケメン。安い葉巻タバコのビリーは1本1ルピーで買える庶民の嗜好品だ。

 

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インド西部グジャラート州で出会ったサドゥー。安い葉巻ビリーを片手に、泰然とした様子で座っていた。長く伸ばした髪の毛を縄で縛ったヘアスタイルも、首にぶら下げたたくさんの数珠も、放浪する行者サドゥーならではものだ。