7月31日と8月2日に開催する「オンライン旅トーク」の第2回はインド北部の秘境ラダックについて、さらにディープにお話しします。

 ラダック旅では、写真だけでなく、動画にも力を入れました。特にレーからスピティ谷のカザに至る道のりは、標高5300mの峠道あり、土砂崩れを起こしたあとの石ころだらけのオフロードありと、まさにアドベンチャー。その苦労の末に辿り着いたのは言葉にするのが難しいほどの絶景でした。

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インド北部ラダック地方に広がる現実離れした風景をバイクで進む。一応道路が通っているが、車はまったく走っていない。異世界に迷い込んでしまったようだ。大きく褶曲した地層が、数千万年の時を刻んでいる。これは3Dゲームのテクスチャーマッピングではない。ありのままのリアルな世界だ。

 

インド北部ラダック地方の道をバイクで走っていると、奇妙な浮遊感に襲われる。空はあまりにも青く、光はあまりにも透明で、そそり立つ崖には草木一本生えていない。別の惑星に降り立ったような現実離れした風景が、延々と続くのだ。ここもまた地球の一部だということに純粋に驚いてしまう。

 

インド北部ラダック地方の幹線道路は、スピードを愛する人間を虜にする。(軍事的な理由で)驚くほどきれいに整備された路面と、少ない交通量と、曲がりくねった道。降り注ぐ太陽光線がすべてのものをくっきりと鮮やかに見せている。この道をバイクで疾走するライダーが感じるのは「悦楽」そのものだ。

 

インド北部の辺境ラダックの絶景をバイクで走り抜ける。5000mを越える山々が連なり、そのあいだには白い氷河が流れている。バイクというむき出しの移動手段で、この荒々しい風景に対峙していると、大自然への畏怖とともに、今ここに生きていることの根源的な喜びが、体の奥底から湧いてくる。

 

インド北部の秘境ザンスカールに向かう道で、羊の群れが道を塞いでいた。羊飼いの男が「ヤー、ジュレー!(こんにちは)」と話しかけてくる。
「どこから来た?」「ジャパンだよ」
車もバイクも滅多に通らない辺境の地は、素朴な出会いにあふれていた。

 

 

インド北部の辺境ザンスカールをバイクで走っていると、子供たちから「ハイタッチ」を求められる。石ころだらけの道を走りながら、子供たちの手にタッチするのは簡単ではないが、上手くできるとなんだか嬉しい。車もバイクも滅多に通らない辺境の地で、子供たちが生み出した「遊び」なのだろう。

 

 

「マニ車」はチベット仏教のお経を収納した仏具で、一回まわすと中のお経を一回唱えたのと同じ功徳があるとされている。インド北部ラダック地方の村には、珍しい「水力マニ車」があった。小川を流れる水の力でマニ車を回し、自動的に功徳が積めるというなかなか便利なアイテムだ。

 

 

インド北部ラダック地方の農村に「収穫の歌」が響き渡る。その歌声に操られるようにヤクたちが大麦を踏み、脱穀が行われていく。今も昔も変わらない風景だ。時代が移り変わっても、この歌はずっと歌い継がれてきたのだ。

 

india19-126809ラダックの圧倒的な大自然を目の前にすると、自分の存在のちっぽけさが身に染みる。そそり立つ岩山の麓にしがみつくように小さな集落が見える。標高4000mの麦畑。過酷な環境の中で静かにつながれている命の営みに、人間の強さとたくましさを感じた。