イイモンは伸び盛りの若葉を思わせるみずみずしい少女だ。飾り立てる必要のない自然な輝きを持っていた。
少女は分数の足し算の授業を窓越しに覗き込んでいた。壁にもたれかかったままの姿勢で、じっと黒板を見つめていた。
平均寿命も長くないし、内戦やポル・ポトによる圧政によって多くの人の命が奪われた時代の影響も大きいのだろう。
経済的発展が著しいシェムリアップとは対照的に、カンボジアの農村には昔と変わらないのどかな田園風景が広がっていた。
関空からシンガポール航空でバンコクへ飛び、カオサン通りの旅行会社でカンボジアのシェムリアップへ向かうバスを手配した。