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  たびそら > 旅行記 > バングラデシュ編(2013)


町工場萌え


 「無駄にかっこいい男」の出現率がもっとも高いのが町工場だった。高い塀で囲まれた立派な工場(こうじょう)ではなく、従業員が数人しかいないようなトタン屋根の工場(こうば)には、油や煤にまみれた熱い職人たちの働く姿が見られたのである。

刃物を研ぐ男。飛び散る火花と火花避けのゴーグルがやたらカッコいい。

鉄パイプをグラインダーで削っていた男。激しく火花が飛び散るから防護グラスは必須だ。

ふいごを使って石炭に空気を送り込む鍛冶屋。バングラデシュの田舎町にはこうした昔ながらの鍛冶屋がいて、農作業に使う刃物などを作っている。

かんなを使って木の板を削る家具職人たち

アルミの板をしぼって水瓶を作る

ブリキの板を加工して一斗缶を作る町工場

古い鉄管をリサイクルする工場

ダッカの旧市街には一間だけの小さな町工場が無数にある。ここは金属加工を行う工場。

旋盤工場で働く男。小さな裸電球で手元を照らしながらの作業だ。













ボルトとナットを作る小さな町工場。部品にメッキを施している。

ガスコンロを作る小さな工場。溶接のアークライトの中に男のシルエットが浮かび上がる。

溶接工場で働く男。スパークする火花がクールだ。

油を作る工場。古めかしい油絞り機を動かす若い男。

ゴマや菜種から油を搾る



鉄を溶かす工場


 ジョソール近郊にはポンプを作る工場があった。井戸水を汲み上げる小さなポンプから、川の水を田んぼに引き入れるための大型ポンプまで、様々なポンプを作っている。

 ポンプは鉄の鋳物で作られていて、この手の町工場にしては大がかりだった。砂で鋳型を作る人、石炭を運ぶ人、溶かした鉄を鋳型に流し込む人、型から取り出す人、取り出した鋳物に穴を開ける人など、何人もの職人の分業制になっていた。

ポンプの部品を作る鋳物工場で働く男。鉄を溶かすための炉に石炭をくべ、送風機で風を送って高温にする。どろどろに溶かした鉄を砂型に流し込むのだ。

ポンプの部品を作るための鋳型を並べている

鉄くずを溶かしている職人



ポンプ工場で働く男。鋳造された部品にドリルで穴を開けている。

ポンプ工場では女性も働いていた。鋳物加工という男っぽい職場で、女性が働いているのは珍しい。

ポンプ工場では女性も働いていた。鋳造に使う石炭を運ぶ。



アルミのリサイクル方法


アルミのクズからアルミの塊を作る
 バングラデシュはリサイクル大国で、一度捨てられたものもできる限り再利用する。アルミは低温で溶けるのでリサイクルに向いている材料なのだが、バングラデシュの町工場ではかなり原始的な方法を採っていた。

 ゴミとして回収されたアルミのクズを細かく砕き、それを石炭に混ぜて高温で熱し、どろどろに溶かすのだ。

 こうしてできたアルミのインゴットは1キロあたり170タカ(210円)で取引されているという。インゴットひとつは5キロ。アルミだから見た目ほど重くはないようだ。

 「私はここで35年働いているんだ」という職人がいるぐらいだから、ずいぶん昔からこのやり方でアルミをリサイクルしているようだ。

細かく砕いたアルミを石炭と混ぜて熱する

アルミのクズを細かく砕くときに使うのは、足踏み式の米つき機そっくりの道具だった。

こちらも農作業の一コマにしか見えないのだが、実は細かく砕いたアルミをザルでより分けているのだ。


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