6月1日から7日まで、南アジアの小国ブータンを旅してきました。首都ティンプーと空港のある町パロに2泊ずつ滞在して、周辺の名所や村を回りました。実質4日という短期間ながら、とても濃密な時間を過ごすことができました。
今回のツアーはGNHトラベルという旅行代理店の企画。写真家5人がそれぞれの目線でブータンを切り取ってみたら面白いのではないか、という社長の山名さんのアイデアがきっかけで、個性豊かな5人が集結しました。
参加者は、ブータンに3年間滞在した経験を持ちゾンカ語も自在に操る「ブータン写真家」の関健作さん、世界108カ国を訪れ世界中の自然や動物を撮り続けている野村哲也さん、アジアのローカル鉄道や安食堂を撮り歩きながら旅の面白さを追求している中田浩資さん、ブータンと同じチベット文化圏に属するインド北部ラダック地方をベースに活動を続けている山本高樹さん、それに僕の5人でした。
ブータンを訪れるのは今回が初めてでした。ブータンについての知識も「幸せの国」「国王来日」といったトピック以外ほとんど何も知らないという状態。それでもガイドブック類は一切読まずに、あえてまっさらな状態で空港に降り立ちました。異国を撮影するとき「何も知らない」というのは大きなアドバンテージになるからです。何も知らないからこそ好奇心がかき立てられ、見るものすべてが新鮮に映る。その驚きが写真に反映されるのです。
今週から全国(東京・名古屋・大阪)で開催する「帰国報告会」の中でも、ブータンの話題を取り上げます。「幸せの国」の実態とはいかなるものなのか。ブータン人が持つ希有な美しさと様々な矛盾について、撮ったばかりの写真を交えてお話しする予定です。どうぞご期待ください。
首都ティンプーにある仏塔メモリアル・チョルテンに参拝に来ていたおばあさん。中に経文が収まったマニ車を回しながら、お経を唱えていた。左手に持った数珠でお経を何度唱えたか数えている。
ブータンの国教は仏教。国民の1.5%が僧侶または尼僧で、出家僧は僧院で読経や瞑想に励んでいる。仏教はブータン人の生活の一部になっている。
ブータンの新名所「ブッダ・ポイント」。全高51mという巨大な仏像がティンプーの町を見下ろす丘の上に鎮座しています。シンガポールの大金持ちが80億円もの大金を出して作ったのだとか。お顔のつくりは現代的で、どこかアニメチックな印象です。
ブータンの寺院には、仕事を引退して暇な老人たちが集まってくる。日がな一日お経を読み、マニ車を回しながら徳を積むのだ。
現国王の叔父にあたる方のお宅に招かれて、夕食をご馳走になった。そのとき出てきたのがこの料理。トウガラシを多用したブータンの伝統料理と、ブータン製ビールを堪能した。
ブータンの玄関口・パロ空港の空港ビルは、ブータンの伝統建築を踏襲したクラシカルな外観。鉄とガラスとコンクリートの怪物と化している現代の空港ビルとは目指している方向が正反対で、好感が持てます。
ブータンの首都ティンプーにあるその名も「エイト・イレブン」というスーパー。朝8時から夜11時まで開いている店のようだが、9時に行ってもシャッターは降りたままだった。実はこの店の営業時間は11時から8時だった。それじゃ「イレブン・エイト」じゃん。
民族衣装のキラを着た女の子。ブータンでは学校に通うときや仕事をしているときには必ず民族衣装(男性はゴ、女性はキラ)を着用しなければいけない。