ミャンマー西部に住む少数民族チン族の女性には、かつて顔一面に入れ墨をする習わしがあった。若い女性はもうやらなくなったが、村のおばあさんには網目状の入れ墨がくっきりと残っている。
理由は諸説あるようだが、美人が多いことで有名だったチン族の女性たちが、王族の妃として誘拐されないようにあえて醜くしたとも言われている。
文化というのは、時として不合理で不可解だ。というか、不合理で不可解であるということが、文化というものの本質なのかもしれない。理由はよくわからないけど、伝統として受け継がれている「美」の一形態。それを我々は文化と呼ぶ。地域に根ざしたユニークな「美」が、この世界を豊かにしている。
ミャンマー西部ラカイン州に住む少数民族チン族の女性。顔に入れ墨の跡がうっすらと残る女性が、近くでとれたエビを天日干ししている。民族衣装も色鮮やかだった。
ミャンマーの農村で、赤ちゃんの体を洗うお母さん。家屋は高床式なので、家の中で水浴びをしても、水はそのまま床下に流れ落ちていく。赤ちゃんもご機嫌な様子だった。
ミャンマーの農村で田植えの準備を行う男。水を張った田んぼに種籾を蒔いていく。エーヤワディー川がすぐそばを流れ、水と土壌に恵まれたこの地では、お米を年に二回作っているという。
ミャンマーの農村で、クワを使って雑草を刈る女たち。雲ひとつない青空を、トンボが横切っていった。
マンダレー郊外にある田んぼで、種籾を蒔く女たち。紐を使って引いた線に沿って、笠をかぶった女たちが種籾を少しずつ蒔いていく。ミャンマーの田んぼで農作業をしているのは女性が多い。
二頭立ての牛車がミャンマーの農村をゆっくりと進む。柔らかい砂地の道が続く農村では、スピードは遅いが力強く進む牛車が主な交通手段として使われている。
マンダレーの路上で営業していた貸本屋さん。10年ほど前までは安い料金で楽しめる庶民の娯楽として人気のあった貸本屋も、スマホや映画DVDの普及によって、すっかり見かけなくなってしまった。暇そうな店主曰く「今も昔も恋愛小説が人気」なのだそうだ。
ミャンマーの工場でニンニクを揚げる男たち。皮を剥いたニンニクを高温の油でさっと揚げ、網を使って余分な油を切る。香ばしいにおいが充満する工場はひどく暑く、男たちは汗だくで働いていた。
ミャンマーの農村で、赤ちゃんの体を洗うお母さん。家屋は高床式なので、家の中で水浴びをしても、水はそのまま床下に流れ落ちていく。赤ちゃんもご機嫌な様子だった。
ミャンマーの市場でスイカの積み卸し作業を行う男。大きくて重いスイカは投げる方も受け取る方も大変だが、ひとつも落とすことなく(当たり前か)、きれいに店先に積み上げていた。