1ヶ月ほどラダックを旅してきました。一年に一度は、あの素晴らしい青空と人々の笑顔をチャージしないとダメな体になりつつあるようです。ジュレー、アマ!
インド北部ラダック地方の中心都市レーに到着。快晴で日差しが強い。標高3500mの強烈な光を浴びることで、1年ぶりにラダックに戻ってきたことを実感する。
今、ラダックは急速に変化している。国内旅行者が増え、観光産業が発展し、レーの人口が急増した。地球温暖化の影響で、夏に雨が降る日が増えた。それでも、白い壁のゴンパ(僧院)やカラフルなタルチョ(仏教の旗)からは、悠久の時の流れを感じる。大切なものはそう簡単には変わらないのだ、と。
ラダックの大自然が作り出した複雑な造形に、いつものように圧倒されている。長い時を経て褶曲した地層が強い日差しを浴びて輝き、周囲の断崖が濃い影を落とす。いつまでもこの場に立っていたい。そう思う風景だった。
インド北部ラダック地方のスル渓谷で、麦の収穫を行う女性たち。スル渓谷に住むムスリム女性はわりとオープンな性格で、僕がカメラを向けても爽やかな笑顔を返してくれた。
インド北部の辺境ザンスカールの尼僧院で、大量の草を運ぶ尼僧に出会った。標高3900mの地で、30kgもの荷物を背負って歩くのは大変な重労働だが、尼さんの顔は明るかった。この草は冬のあいだ尼僧院で育てている牛の食糧になり、取れる牛乳が貴重な栄養源になる。
インド北部の辺境ザンスカールは麦の収穫シーズン真っ盛り。伝統衣装に身を包んだ女性が、黄金色の麦穂を地面から直接引っこ抜いて収穫していた。刈り取った大麦は加熱してから粉に挽き、ツァンパと呼ばれる主食の粉に加工する。
「ラダックでヤバい旅をしている人は、たいていフランス人である」という(僕が言い始めた)仮説があるので、標高5000mの峠を自転車で越えてきたカップルがフランス人だと聞いても驚かなかった。ウズベキスタンからインドを経てネパールを目指す7ヶ月の自転車旅中だという二人。やっぱりヤバい。
ザンスカールにある小さな湖で記念撮影。標高4500mのペンジラ峠のすぐそばにある小さな湖からは、万年雪が残る頂が見える。吹き抜ける風が立てるさざ波だけが、この風景の中で唯一の「動くもの」だった。
インド北部ラダック地方の中心都市レーの空に虹が架かった。これほどくっきりと色鮮やかな虹は見たことがない。町の人たちもみんな足を止めて、この神々しい光りのショーを見つめていた。
何度も言ってますが、ラダックを旅するなら9月がいいですよ。7月は雨降ります(近年は温暖化の影響で大雨のことも)し、8月は旅行シーズンなのでインド人観光客だらけです。9月は基本的に快晴なのでめっちゃ過ごしやすいし、空も青い!そう、今がラダックシーズンなのです!
標高4200mに位置する神秘の湖パンゴンツォ。その湖面は驚くほど青く透明で、訪れる人を魅了する。パンゴンツォは曇り空でも美しい。雲が落とす影が対岸の山肌にさまざまな模様を描き、それが刻一刻と変化するのだ。何度訪れても飽きない湖、それがパンゴンツォだ。
パンゴンツォはインド映画「きっと、うまくいく」の舞台になったことで人気に火が付き、辺境の地にもかかわらず多くのインド人観光客が訪れるようになった。湖畔には映画でお馴染みの「三つのお尻」と黄色いスクーターがたくさん置かれていて、(もちろん有料で)記念撮影を行うことができる。
レーから1時間。標高5600mにあるカルドゥンラ峠で、無数のタルチョ(旗)が風に揺れていた。チベット仏教のお経が書かれたタルチョが山頂の強い風ではためくたびに、仏教の教えが風に乗ってあまねくこの世界に広がっていく、と信じられている。