インドは動物と人との距離がとても近い国だ。
牛や羊、ラクダ、犬、猫、鳩。さまざまな動物と共に暮らし、共に生きる姿を追った。
 

ラジャスタン州に住む遊牧民ラバリ族はラクダの放牧で生計を立てている。一家が飼うラクダは全部で15頭。生まれたばかりのラクダは華奢でおとなしく、山羊のようだった。「もっとお乳をちょうだい」と一家の主に鼻をすり寄せる姿が何ともかわいかった。(インド2016)
 

ラクダに薬を塗るラバリ族の若者。水と灰を混ぜた薬をラクダの皮膚に塗る。ラクダにとって皮膚病は命にも関わる病だから、ひどくならないうちに手当てするのが大切だという。(インド2016)
 

赤いターバンを巻いたラバリ族の男が、羊を引き連れて歩く。雨が少ないラジャスタンの乾燥地では農耕は難しく、放牧で生計を立てている人が多い。(インド2016)
 

牧草地を求めて移動する羊飼い。デカン高原の乾燥地帯でよく見かける光景だ。(インド2016)
 

グジャラート州半島部で遊牧生活を営む家族。羊と牛とラクダを飼い、テントで暮らしている。おばさんが搾りたてのミルクで作ったチャイをご馳走してくれた。(インド2016)
 

おじいさんのベッドなのか、山羊を繋いでおくためのものなのか。山羊に囲まれて迷惑そうな老人(インド2016)
 

牛を使って畑を耕していた男。グジャラート州の牛は特に体格が大きく、立派な角を生やしている。(インド2016)
 

中央分離帯に佇む野良牛。インド北部には街角をうろつく牛が多く、交通渋滞の原因ともなっている。(インド2016)
 

牛を使って畑を耕す男。力が強い雄牛は農家にとって大切な労働力だ。(インド2016)
 

牛の乳搾りは毎朝の日課。牛乳は農家にとって重要な収入源だ。(インド2016)
 

水牛と一緒に川を走る少年。水牛は暑さに弱いので、川の水で体を冷やさなければいけない。(インド2016)

 


新聞を読む男の隣で昼寝する野良犬。インドでは犬は特別にかわいがられることはない(飼い犬は少ない)が、その辺で勝手に生きてくことは許されているという存在だ。環境の一部というか空気みたいな扱いなのだ。(インド2016)


聖地バラナシにはたくさんの野良犬がいる。生と死を見つめているような、それでいて何も考えずにただぼんやりしているだけのような複雑な表情をしているところが、放浪のサドゥーに似ていなくもない。(インド2016)


インドの野良犬は「どこでも寝られる」という特技を持っている。騒音が絶えない中央分離帯の上でも、彼らは安眠できるようだ。(インド2016)


猫を背中に乗せた女性。インドでは猫は不吉な動物とされているので、見かけることは少ない。(インド2016)