北インドではおじさんにカメラを向けてばかりいます。ただ路地裏に座って日向ぼっこしているだけなのに存在感がある。そういう男性が実に多いのです。
色鮮やかなターバン、長く伸ばした髭、刻まれた深い皺。それらが彼らが積み重ねてきた日常の厚みを物語っているのです。
路地裏にただ座っているだけなのに、この存在感。ただものではない。
際立った存在感を放つ80歳のサタラワラさん。長年インド国鉄に勤めていた人だが、その風貌は芸術家のようでもある。
渋カッコいいインドの鍛冶屋。真っ赤に熱した鉄を、電動ハンマーで叩いて刃物に加工する。
インド人ってその辺にあるものを適当に重ね着しているように見えて(実際そうなんだろうけど)、なにげにオシャレなんだよな。
オシャレというのは流行を追うことではなく、自分のスタイルを持っていることだと思う。だからラジャスタンの男は渋カッコいいんだ。
ターバンを巻いたシク教徒が人口の多くを占めるパンジャブ州は、渋カッコいい男の総本山とも言える場所だ。
男が男らしくあるためには、立派な髭が欠かせない。
インドではあまり見ない猫と渋カッコいいおじさんの写真。インドには野良犬は腐るほどいるけど、野良猫は漁村とムスリム地区ぐらいでしか見かけないのです。
インドに猫が少ないのは、ヒンドゥー教徒には猫が不吉な存在だからだとか。犬は特にかわいがりはしないけど、ただそこにいる存在。牛はミルクを出してくれるので、まあまあ大切にされています。
もちろんインドにも「渋カッコいい」とは正反対の男だっている。ソーダ屋台の男の服装が林家ペーみたいにピンクで統一されていた。カメラを向けると、なぜか女装した自分の写真と一緒に撮ってくれという。インドにも女装趣味の人がいるらしい。よく見るとモナリザっぽい顔立ちだし。