生きるために働く。
汗を流し、体を酷使して働く人々の姿からは、シンプルで根源的な人の営みが見えてくる。
染色工場で働く半裸の男。割れた腹筋と浮き出た血管、したたる汗。毎日の力仕事が無駄のない肉体を作り上げたのだ。(インド2016)
インド北西部グジャラート州にある工場では、ディーゼルエンジンのエンジンブロックを鋳造していた。ドロドロに溶けた鉄を砂型に流し込んで成型する。働く男たちの服や手は黒く汚れている。(インド2016)
アルミ板を材料に「絞り加工」という技法を使って水瓶を作る職人。狭くて暗い工場にはアルミの粉が舞い散り、働く男たちの顔や体はアルミ色の変わっている。とても過酷な労働だ。(インド2016)
絞り加工で水瓶を作る工場で、アルミの粉にまみれて働く職人。銅像のようにも見えますが、人です。(インド2016)
アーク溶接は高圧電流による高熱で金属をつなぎ合わせる溶接法。飛び散る火花とまぶしさから顔や目を守るため防護マスクや保護メガネが欠かせない。(インド2016)
タミルナドゥ州チェンナイにある町工場でアルミを溶かす男たち。高温の炉に回収してきたアルミ片を入れ、インゴットを作る。アルミは融点が低いので比較的リサイクルしやすい材料だ。(インド2016)
サトウキビから粗糖(グル)を作る。絞り汁を大きな鍋で煮詰めたあと、木製のバットに移し替える。滑車とロープを使って直径3メートルほどの鍋を大きく傾ける作業は迫力があった。(インド2016)
昔ながらの炭を使ったアイロンでシャツの皺を伸ばす職人。大きく重いアイロンを自在に操るには腕の力が必要だ。(インド2016)
アンドラプラデシュ州沿岸部に広がる塩田で働く女性。塩作りは塩田の底の砂を足で踏み固めることから始める。強烈な日差しが降り注ぐ炎天下での仕事だ。(インド2016)
オリッサ州の山村で道路工事が行われていた。村人総出で砂利を運び、土の道をコンクリートで固めていく。雨季でもぬかるみにならない道を作っている。(インド2016)
マハラシュトラ州マレガオンの織物工場で出来上がった布を運ぶ男。この白い布は別の町に運ばれ、美しい色と模様に染め上げられて、女性たちが身にまとうサリーになる。(インド2016)