質問:盗難の心配

やはり発展途上国では一眼レフカメラを持ち歩くのは危険度が増すものでしょうか?
来年も旅行に出る予定で、一眼を持っていこうか、それともコンデジを買い旅に出ようか迷っています。

 
 

三井の答え

 僕はいつも堂々とカメラをぶら下げて街を歩いています。そりゃ確かに目立ちますけども、小さなカメラをポケットに入れてこそこそと隠し撮りのようなことをするのは、あまり好きではないのです。他の人はどうかわかりませんが、僕の場合にはそうやって撮るとあまりいい写真にならないのです。
 
 幸いなことに、今までカメラを盗まれたことも奪われそうになったこともありません。あまり疑心暗鬼になり過ぎるのも良くないと思いますよ。
 
 盗まれたっていいじゃないか、というぐらいのおおらかな気持ちで歩いた方が、いい結果が生まれるように思います。
 
 もちろん、僕だって「盗難になど絶対に遭わない」と確信しているわけではありません。むしろ「いつ盗難にあってもおかしくない」と思っています。こればっかりは「運」が大きくものを言うのです。昨日まで幸運であった者が、明日には不運に見舞われることもある。だから僕はもっとも大切な写真データーだけは失われないように最善を尽くしています。これだけはお金を出しても戻ってこないからです。バックアップを二重に取り、こまめに日本へも送っています。
 
 モノやお金を盗まれないように気をつけるのはとても大切ですが、心配しすぎるのも問題です。いいじゃないですか、カメラぐらい盗まれたって。また買えばいいのです。
 
 僕にとってはカメラを盗まれることよりも、目の前のシャッターチャンスを逃すことの方がダメージは大きいです。カメラはお金を出せば変えるものですが、いい写真を撮る機会は二度と訪れないかもしれないのです。
 
 本当に大切なのは、いくらお金を出したって戻ってくることのないものです。そしてその大切なものを見つけるために、僕らは旅に出るのです。
 
 「盗まれたどうしよう」「病気になったらどうしよう」「飛行機が落ちたらどうしよう」とネガティブに考えてしまう人は、アジアを長く旅することなどできないでしょう。逆に言えば、アジアを長く旅していると、そういう心配事はとりあえずどこかに追い払って、物事のポジティブな面だけを見ようとするようになるのです。「なんくるないさー精神」です。
 
 旅先で得られる貴重な経験やシャッターチャンスに比べれば、盗難の危険なんて些末なことに過ぎません。カメラは首からぶら下げましょう。そのためにストラップがついているのです。そして旅を心から楽しんでください。なんくるないさーで行きましょう。
 
 

質問:カメラのメンテナンス方法

昨年、初めてデジタル一眼で旅をしました。一眼ですのでレンズ交換もしたのですが残念なことに受光素子にゴミがついてしまい、それに気が付くまでの写真は駄目になってしまいました。
 
満充電バッテリーがあったのでミラーアップでき、ブロアーで運良く目立つゴミが飛んでくれたのでその後も写真は撮れたのですが、三井さんはこのようなトラブルを考え旅先に荷物となるメンテナンス用品を持ち歩いているのでしょうか?
 
 

三井の答え

 デジタル一眼レフカメラの大きな問題点は、センサー部分に小さなゴミや埃がつくことです。これがやっかいでなかなか取れない場合があります。特にレンズを交換するときにホコリが付着する場合が多いようです。最近のカメラにはゴミ取り機構を備えたものが多いですが、それとて完璧ではありません。
 
 僕も自分でメンテナンスするためにブロアーを持っていきます。それで取れないような小さなゴミは・・・諦めるしかありませんね。日本に帰国してからメーカーの修理に出して取ってもらうしかありません。自分でクリーニングをして、センサーを傷めてしまうのは避けたいですからね。
 
 でも万が一ゴミが残ったとしても、それが大きな問題になるのは絞りを絞った状態で遠くにあるのっぺりした被写体を写す場合(例えば青空)なので、人物スナップやポートレートを撮っている限りはあまり問題にはならないのです。だから「細かいことはあまり気にしない」というのが正解だとも言えます。
 
 フォトショップなどでゴミの部分を除去する後処理も行えますから、それほど心配しなくてもいいでしょう。
 
 

質問:動画の手ぶれ

三井さんは、動画はデジタル一眼の動画機能を使って撮影されていると思うのですが、デジタル一眼で動画を撮ると手振れを抑えるのがとても難しいと思うのですが、手振れ対策などはどの様にされているのでしょうか?
作品を見るとほとんど手振れは気にならずとても見やすいですね。なにか工夫があるのでしょうか?
 
 

三井の答え

 三脚を立てないで、手持ちで動画を撮影しようとすると、どうしても画像はぶれます。これは防ぎようがないので、三脚を持参していない僕が撮った動画は必ずぶれているはずです。
 
 でも質問者の方は「ぶれが気にならない」とおっしゃっている。ぶれてはいても、あまりに気ならないレベルのぶれだということです。
 
 カメラを手ぶれさせないための基本は、静止画撮影と同じように両手でがっちりとホールドしてやること。ただ動画撮影の場合はファインダーを覗くのではなくて、後ろの液晶を見ながらのライブビュー撮影になるので、手ぶれしやすいのは確かです。でもとにかく基本は「がっちりとホールド」です。気合いです。
 
 それからレンズを広角側で使うと、相対的にぶれは目立たなくなります。望遠だとぶれが増幅されてしまうのです。24mm-50mmの広角レンズを使って、しっかりカメラをホールドして(できることならしゃがみ込んで)撮影するというのが基本です。頑張ってください。