使用カメラ&レンズは?
僕は2001年の旅から、ずっと一眼レフデジタルカメラを使っています。そして、それから長い旅に出るたびにカメラを買えています。デジタルカメラというのは、それだけ製品サイクルの短いものなんですね。
以下に、これまでの旅で使っていたカメラとレンズを書いておきます。ご参考までに。
・2001年 EOS-D30 (20-35mm/F3.5-4.5 , 50mm/F1.4 , 70-200mm/F4.0)
・2004年 EOS-10D (17-40mm/F4.0 , 50mm/F1.4)
・2005年 EOS-20D (17-40mm/F4.0 , 50mm/F1.4)
・2006年 EOS-5D (24-70mm/F2.8)
・2009年 EOS-5Dmark2 (24-70mm/F2.8 70-200mm/F4.0)
・2013年 EOS-5Dmark3 (24-105mm/F4.0 70-200mm/F4.0)
・2015年 EOS-5Dmark3 (24-70mm/F2.8LII 70-200mm/F4.0)
壊れない?
いつも1台のカメラで旅をしているから、もっとも心配しているのはこの点です。しかし幸いなことに、カメラが壊れて使い物にならなくなった、という事態に陥ったことは一度もありません。まぁ運がいいのでしょう。
パソコンが不調になったり、周辺機器(カードリーダーやハードディスク)が壊れたりしたことはありましたが、旅が続けられなくなったことはありませんでした。
日本製の電子機器はなかなか優秀です。
旅に語学力は必要?
もちろん、英語は出来た方が何かと便利だし、さらに現地語ができるなら申し分ありません。でも実際のところ、アジアを旅する限りにおいては、英語はさほど役には立ちません。有名観光地や、インド、パキスタンなどでは、かなり英語も通用しますが、それ以外ではあまり使えないのです。
じゃあ、どうするのか。これはもうボディーランゲージ・身振り手振りで伝えるしかありません。これが意外と通用するものだから、アジアを旅していても英語が上達するどころか、下手くそになって帰ってくるというのは、よくある話です。(実際に僕もそうでした)
旅の移動手段は?
最初は主にバスを使って旅をしていました。特定の地域(中国、ロシア、インド)を除いて、どの国も鉄道は斜陽なのです。長距離、大量輸送という需要があまり無い国では、設備投資が少なくて小回りの利くバスにかなわないんですね。鉄道網の発達という点で、日本という国は例外であるということがよくわかります。
それにしてもバスはしんどい。ある意味で苦行です。慣れてしまえば、一日8時間移動でも苦にならなくなるのですが、それでも我慢強さが必要です。「エコノミークラス症候群だ」などと言っている人には無理かもしれません。アジアのバスの場合は、何時間もトイレ休憩なしにぶっ続けで走ることも珍しくないですから、トイレが近い人には、あまりお勧めできません。
2006年からはバイクを使うようになりました。自分の好きなときに、好きなところで止まれる。旅のスケジュールを自由に組むことができる。これによって僕の旅のスタイルも、そして撮る写真も大きく変わったのです。
ぶっちゃけ、危なくないの?
ガイドブックを読むと、盗難などのトラブルに巻き込まれた話ばかり載っていて怖くなった、という話をよく聞きますが、トラブル事例をそのまま信じるのはいかがなものかと思います。
例えば100人に1人がひったくりに襲われて、カメラと財布を奪われたとします。それが数万もの人が訪れる観光地であれば、被害は百人単位になって、「あそこは絶対に危険だ」という話ばかり聞かれることになります。ひどい目に遭った旅行者は、そのことを出会う人一人一人に話したくなるものなんですね。
もちろん、詐欺師やスリの手口を事前に仕入れていくことも重要です。そうすれば未然に防げるものも結構ありますから。でも、その話を恐れてばかりいると、どこへも行けなくなってしまいますから、適当に聞き流すことも必要です。実際に、僕が行った国の中で「話に聞いていたより治安が悪いな」と思ったところは、ひとつもありませんでした。
万が一、被害に遭ってしまったら、「運が悪かった」と諦めるのも、前向きな考え方です。自分を責めても仕方がないですからね。どこにも悪い人間はいるものです。
一般にイスラムの国や仏教国は安全度が高く、ヨーロッパも西に行くほど治安が悪化する傾向があるようです。どちらにしても、日本より治安がいいという国は、ほとんどありませんが。
「盗まれたどうしよう」「病気になったらどうしよう」「飛行機が落ちたらどうしよう」とネガティブに考えてしまう人は、アジアを長く旅することなどできないでしょう。逆に言えば、アジアを長く旅していると、そういう心配事はとりあえずどこかに追い払って、物事のポジティブな面だけを見ようとするようになるのです。「なんくるないさー精神」が大切なのです。
「たびそら」というタイトルの意味
旅の半分はバスや列車での移動時間です。アジアの旅においては、移動はとことん疲れるものです。バスは思うように進まないし、列車は一日に一本しかなかったりする。座席は硬く、スピードは遅く、ひどく揺れる。ただ無意味に時間だけが過ぎ、苛立ちばかりが募ってくる。
そんな苛立った心を落ち着かせてくれたのが、車窓から見える空でした。旅先で見る空は、そこでしか見られない独特の色をしています。世界はあくまでも広く、変化に富んでいる。そのことを旅の空は教えてくれるのです。
そんなわけで、僕はこのサイトに「たびそら」という名前を付けたのです。
なぜ「たびそら」を立ち上げたの?
実は、僕は「たびそら」を立ち上げる以前にも、自分のホームページを持っていました(1997年から)。だから旅の経験をホームページで発信していくというのは、僕にとってはごく自然な発想だったのです。他のアイデアは思い付かなかった。
逆に言えば、インターネットやパソコンやデジタルカメラといったデジタルツールがなければ、情報を発信する側にはいなかっただろうし、したがって写真家にもなっていなかったはずです。
ホームページを作るのはとても簡単ですが、こつこつと続けるのはとても大変です。僕は常にそう思っているし、人にもそう言い続けています。これはホームページに限ったことではないけれど、何かを継続的に作り続けるためには、ある種の情熱や根気が必要になってくるからです。もちろん「もの作りが好きだ」という性質も重要です。
全てが上手く転がっているように見える時期もあれば、まったく上手くいかない時期もある。僕自身、その繰り返しでした。
大切なのは、どんなときにもペースを崩さないで、自分ができる範囲のことを積み上げていくことだと思います。それがなかなか難しいんですけどね。