写真家・タシデレ中田さんのブログ記事が超面白い。「インドの路地裏を歩いた外国人ランキング」で上位に食い込む自信があるという中田さんが断言する「インド人はハイテンションでよく笑う」という意見には、僕も100%同意する。普段は変顔おばちゃんばかり撮っている中田さんだが、笑顔の写真も素敵だ。

 ちなみに中田さんは【「チャイを奢ってもらった外国人ランキング」でも上位に入賞する自信がある】と書いているが、僕もこのランキングは譲れない。二人揃ってベスト10にランクインするのは間違いないと思う。ほんとに、インド人ってフレンドリーで親切なのだ。

 「メシ通」という食の情報サイトのインタビュー記事でも答えたように、僕もインドで何百杯ものチャイをご馳走になってきた。彼らにとってチャイをおごることは友好の証なのだ。言葉でコミュニケーションを取るよりも「一緒にチャイを飲み、共に時間を過ごした」ことの方が大切なのだ。

 笑顔のインド人に出会うコツは「観光客の行かない場所に入り込むこと」だ。中田さんは大都市のディープすぎる路地裏を歩き回り、僕は田舎町や農村をバイクで訪れる。そこには素顔のインドがある。飾らない日常がある。デリーやムンバイやバラナシの中心部を歩いただけで「インド人ってこんなものだ」と判断するのは間違っている。

 なにしろインドは13億人もの人口を抱える大国だから、その全てを知ることなんてできない。だからこそ「いま目にしている光景は、広いインドのごく一部なのだ」という意識は常に持っておく必要がある。そして知れば知るほど、インドがとんでもなく奥深く面白い国だと気付くはずだ。

 

india19-23464インド中部マハラシュトラ州で出会った男はスーフィーだった。スーフィーとはイスラムの神秘主義哲学スーフィズムを信仰する人で、世俗を離れて神への絶対帰依をめざす修道者である。彼の風貌もどことなく浮世離れしていたが、革ジャンを着て金の時計を身に着けているところは、俗っぽい印象も受ける。

 

india19-52740インド西部グジャラート州で出会った男。あまり身なりを気にしないタイプなのだろう。もともとは真っ白だった民族衣装が、元の色がわからないほど汚れている。うつろな目でタバコを吸う姿が、往年の名優・勝新太郎を思わせる。

 

india19-54963インド西部グジャラート州で出会った仕立て屋の男。古い足踏み式のミシンを使って、オーダーメイドの服を仕立てている。もう何十年も、狭い店先でミシンを踏み続けているのだそうだ。

 

india19-55917インド西部グジャラート州で水牛を飼う男。6月は毎年45度を超える熱波に襲われるグジャラートでは、強烈な日差しを跳ね返す白い民族衣装が「避暑アイテム」として欠かせない。

 

india19-61599インド西部グジャラート州で出会った鍛冶屋の男。石炭で熱した鉄を、電動式のハンマーで打って形を整えていく。クワや鎌などの伝統的な農機具だけでなく、トラクターに取り付けるアタッチメント工具も作っていた。鍛冶屋も時代の変化に合わせて、商品を変えているようだ。

 

india18-00401インド南東部オリッサ州で出会った渋イケメン。南インドでは、腰布ルンギーを巻いただけで上半身裸で暮らす男も多い。肉体労働で鍛えたのだろう、引き締まった肉体がカッコよかった。

 

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インド北西部ラジャスタン州で出会った牧民の男が渋イケメンだった。煮炊きに使うための薪を頭に載せて運んでいた。白い民族衣装を着て、頭には白いターバンを巻き、胸元からは白い胸毛がのぞいていた。

 

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インド北部ウッタルプラデシュ州で出会ったオシャレな仕立て屋の男。ユニークな帽子を被って、赤い服をオーダーメイドで作っていた。ひょっとしたら自分で着るのかもしれない。

 

india19-78610インド北西部ラジャスタン州の市場で穀物を売る男。特に着飾っているわけではないのに、強い存在感を放つ男。それが渋イケメンだ。

 

india19-100201インド北部ウッタルプラデシュ州で出会った男が渋イケメンだった。街のチャイ屋の店先に座って、のんびりと道行く人を眺めている。それが絵になってしまうのが、インドという国なのだ。