9月4日に行うオンライン旅トークの第10回目は「幸せの国・ブータンのリアル」についてお話しします。仏教に根ざし、民族の伝統を重んじるブータン。「世界一幸せな国」というのは本当なのか。変わりゆく小国のリアルな姿を紹介します。
南アジア圏はほぼ制覇していましたが、ブータンを訪れたのは今回が初めてでした。短い期間ではあったけれど、予想以上に面白い経験でした。
ブータンで出会った下校途中の小学生。ブータンの小学生は「ゴ」と呼ばれる民族衣装を必ず身につけなければいけない。日本の着物にもよく似ているし、顔立ちも日本人にそっくりだから、明治時代の日本にタイムスリップしたような不思議な気持ちになる。
ブータンの小学校には、手塚治虫の名作漫画「ブッダ」の英語版を熱心に読んでいる子供がいた。仏教と英語教育に熱心なブータンらしい光景だ。世界中に読者がいる手塚治虫もすごいですね。
ブータンの小学生は、女の子なら「キラ」、男の子なら「ゴ」という民族衣装を必ず着ている。ブータン政府は民族アイデンティティーを重視し、公の場での民族衣装の着用を義務づけているからだ。小学校の授業はすべて英語で行われている。ローカル文化とグローバル言語のどちらも重要だと考えているのだ。
ブータンの首都ティンプーにある寺院で、小型のマニ車を回す老人。マニ車の中には経文が収まっていて、1回まわすとお経を1度読んだことになる。ブータンの老人はこうして功徳を積み、よき来世を願いながらお寺で一日を過ごしている。ブータンの首都ティンプーにある寺院で、小型のマニ車を回す老人。マニ車の中には経文が収まっていて、1回まわすとお経を1度読んだことになる。ブータンの老人はこうして功徳を積み、よき来世を願いながらお寺で一日を過ごしている。
ブータンの老人がいつも手に持っている数珠。108個の珠がついている数珠は、自分が唱えたお経の数をかぞえるために使うのだそうだ。お経を唱えたり、数をかぞえるという行為には、人を「無我」の境地に誘う効果がある。
ブータンの僧院で読経に励む若い僧侶。ブータンでは出家すると選挙権を失い、政治に関わることが禁止される。その一方で、僧侶は国から手厚い保護を受け、生活の心配はなくなり、仏教の道に邁進することができるのだ。
ブータンの棚田で田植えをする人々。平地が極端に少なく、傾斜地ばかりのブータンでは、階段状の棚田で米作りを行う。長い年月をかけて作られた棚田は、優美な曲線を描いてどこまでも広がっていた。