僕にとって約3年ぶりとなる写真展「渋イケメンの国」が、4月13日からキヤノンギャラリー銀座で始まりました。

 今回、作品のプリントに使用したのは、キヤノンのPro-10というインクジェットプリンター。顔料インクのプリンターが持つ「黒が締まり、シャドー部分の階調が豊か」という特性を生かして、より渋くより濃くプリントすることを心がけました。これまでの明るい色調とは違って、全体のトーンを渋め暗めにすることによって、働く男たちの力強さや荒々しさを強調できたと思います。

 

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 「渋イケメンの国」というキャッチーなタイトルのおかげか、メディアからの取材も相次ぎました。「イベニア」「ねとらぼ」などのWebメディアにも取り上げられ、FMラジオ局「J-WAVE」からは(本物の)イケメンレポーターさんが写真展会場から生中継してくれました。16日には「bayfm」の番組内でも紹介していただきました。

 

IMG_4857bayfmのDJ中村愛さん

 

IMG_4865J-WAVEのレポーター・タイキさん

 

 来場者から一番多く聞かれたのが、
「なぜ渋イケメンを撮ろうと思ったんですか?」という質問でした。
 渋イケメンを撮り始めた動機はいったい何なのか。改めて問われると、答えるのは簡単ではありません。特にこれといった理由もなく無意識にカメラを向けていたというのが、最も的確な説明だと思うからです。結局、僕にとって「写真を撮る」という行為は、「なぜ」をとりあえず脇に置いておいて、「これだ」と直観したものに対して素直にカメラを向けることに他ならない。撮るべき理由をはっきりと自覚しているわけではないし、作品集のイメージが最初からあって撮り始めるわけでもない。簡単には言語化できないもの——あえて言葉にすれば「憧れ」とか「同一化」になるかもしれない——をイメージに定着させる。それが僕にとって「撮る」ということなのです。

 僕自身は渋イケメンではありません。あんな風になれるとも思わない。自分の対極にいる人々だからこそ、尊敬や憧れの気持ちが生まれます。そしてその気持ちを具体的なイメージに移し替えるために、僕はカメラという道具を使っているのです。

 「日本のイケメンとは全然違いますね」という感想も多かった。これは狙い通りでした。
 僕はこの写真展を通じて「いま巷で言われているイケメンとはまったく違う角度から男前を追求したらどうだろう?」と提案したかった。清潔で中性的でオシャレでつるっとしている現代のイケメンたちとは真逆の、汗くさくてごつごつしていて見た目に気を使うこともない男たちが、なぜこんなにも魅力的なのだろう。女性はもちろんのこと、男もほれぼれするような肉体はどのようにして作られているのだろう。そんなことを見ている人と一緒に考えてみたかったのです。

 実は金曜日と土曜日は風邪を引いてしまって、声がガラガラでした。少し声を張ると咳き込んでしまうので、のど飴をなめながら話をしていたのです。金曜日と土曜日に会場にお越しいただいたみなさん、お聞き苦しい声でごめんなさい。普段の三井はあんなハスキーボイスではありません。
 日曜日に風邪薬を飲み、プロポリス入りのハチミツを食べたので、だいぶ回復しました。月曜日からの後半戦は万全の体調で臨めると思います。

 銀座での写真展も残すところあと3日。ぜひこの機会にキヤノンギャラリー銀座に足をお運びください。お待ちしています。

 

日時 4月13日(木)〜4月19日(水) 10:30〜18:30(最終日15:00まで) ※日曜休館

場所 キヤノンギャラリー銀座

巡回 梅田(5月11日〜17日) 福岡(6月15日〜27日)

 

 

DSC00139初日1番に来てくれたのは浅井寛司さん

 

IMG_4859写真家の関健作さんと山本高樹さん

 

IMG_4861アフロヘア(かつらです)で登場したアフロあきらさん

 

IMG_4884土曜日はたくさんの方にお越しいただきました