質問:女性の一人旅について

はじめまして。
人も食べ物もぜんぶ大好きな国、タイ。
三井さんの写真を見て、ますます大好きになりました。
 
さて、わたしは学生時代から休みの度に女友達と2人で小さなバックパックをしょっていろんな国をブラブラしてきました。
最近は半分仕事で1人外国へ行く機会が増え、短期でも、観光客だらけの場所よりも地元の人の生活が見えるような場所へ行ったり、食べ物をたべたりして、その国を感じたいな、と思います。
 
そんなとき、ネックになるのが女性だということです。
トラブルに巻き込まれないよう安全なホテルを選び、貴重品の管理をきちんとするのはいいのですが、ぶらぶらする場所や時間が制限されてしまうような気がしています。
 
治安がよくても整然とした街中や観光客がいっぱいの観光地ばかりにいるのは退屈ですよね。
例えばタイでも、男だったらもっと気軽にナイトマーケットや屋台へいけるのになぁ、大都市じゃない町に滞在するのも楽しいだろうな~と残念に思っています。
滞在中、現地の人と仲良く話ができるようになっても、実は下心がある場合もあったりして、これまた「男だったらなぁ~」と思います。
 
三井さんにぜひ、ご意見を伺いたいのですが、女1人が、安全に現地の人の生活が見える場所に滞在したり、ぶらぶらしたりする方法はあるんでしょうか?
もしなにか名案があればご教授くださいましたら幸いです。

 
 

三井の答え

 女性の一人旅が安全かどうか。実際のところは、女性の一人旅経験者に聞いてみるのが一番いいでしょう。僕は男なので、男の立場からしかアドバイスできないからです。
 
 おっしゃるとおり、女性一人だと行きにくい場所はあります。これはある程度仕方のないことだと思います。いくら「自分は男に負けない勇気と行動力がある」と自負する女性でも、受け入れ先の事情というものには逆らえません。女性が一人で旅をするということ自体が理解できないというイスラム諸国。執拗に結婚を迫ってくる東南アジアの男たち。辺鄙な場所に行けば行くほど、「なぜ女が一人で旅を?」という好奇の視線に晒されることは間違いありません。質問攻めに辟易するということもあるでしょう。
 
 しかし僕は今までに旅先で出会ってきた女性たちの多くは、「自分が女であること」をうまく利用しながら旅をしていました。もちろん、これはいい意味で、です。
 女性であるということのハンディキャップというものは確かに存在します。しかし女性であることの利点もまた大きいのです。
 
 日本人女性はたいてい実際の年齢よりも若く見られるし、さらに小柄だったらほとんど「子供」にしか見られない。そういう人が大きなバックパックを担いでえっちらおっちら歩いていたら、「助けてあげよう」と手を差し伸べたくなるのが人情です。それがきっかけとなって、かけがえのない出会いの機会を得た。そういうエピソードはよく聞きます。か弱く見えるということは、デメリットでもあり、同時にメリットでもあるのです。
 
 また、女性の写真を撮る場合も、異性よりも同性の方が撮りやすいでしょう。シャイな人が多いアジアの女性たちも、同姓の旅人になら心を開きやすいかもしれません。
 
 男性と同じようなスタイルの旅を目指すのではなく、女性であることを生かせる旅の方法を模索してはどうでしょうか。それが僕からのアドバイスです。