1ヶ月のミャンマー旅を終えて、バンコクを経由してインドに向かう。
 バンコクのカオサン通りを歩くのは4年ぶりのこと。旅の目的地が東南アジアからインドにシフトしたので、バンコクに立ち寄ることが少なくなっていた。

 

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 カオサン通りは若くて汚いバックパッカー専用の安宿街から、オシャレなバーとマッサージ店が目立つ一大観光地へ変貌している。「通りを歩いているのがおっさんばかりだなぁ」なんて思っていたら、なんのことはない、自分もおっさんと呼ばれる年齢になっていた。バンコクで43歳の誕生日を迎えたのだ。

 昔ながらのバックパッカーはとにかくお金を使わないから、経済が発展し、産業が高度に洗練されていく過程で、「だってあんな小汚い奴ら、いらないじゃん」という風に(声に出さないにしても)切り捨てられていって、現在の小洒落たパーティーピーポーなカオサン通りが出来上がったんだろう。

 もはや「バックパッカーの街」とは言えなくなったのだが、案外みんなバックパックを背負っている。「カオサン通りにはスーツケースじゃなくてバックパックじゃないと」という先入観は強くあるみたい。汚い人はいないし、ハードコアなバックパッカーもいない。みんなオシャレで、ファッションタトゥー入れて、バーでビール飲んでる。そういう不思議な街だ。

 

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バンコクに行くと必ず立ち寄る店、カオサン近くの交差点で店を出しているチキンライス(とポークライス)のおばちゃん屋台。今年もちゃんと営業していた。味も全然変わらない。40バーツ(140円)と安いのも嬉しい。カオサンの良心だ。

 

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カオサン通りのカフェでタイ風焼きそばパッタイを食べる。ライムを絞るだけで急にアジアンな味になるんだよね。

 

 カオサン通りの変貌ぶりにはいつも驚かされる。移ろいゆく旅行者の嗜好に合わせて巧みにその姿を変えていくのが、この町の特徴なのだ。定まったスタイルはない。あるのは旅行者が抱くイメージと、時代の変化と、競争と淘汰だ。

 この数年でカオサン通りの旅行代理店は減り、ネットカフェと古本屋はほぼ消滅し、その代わりマッサージ店とコンビニとオシャレなカフェが増えた。日本人が減り、韓国人と中国人が増えた。Tシャツ屋は今も昔も変わらぬ人気で値段も安い。民族衣装を着てカエルの鳴き声のする置物を売る女も健在だ。

 スマホとネットはカオサン通りの産業構造を一変させた。古い情報産業(古本屋、ネットカフェ、国際電話)は新しい業態(フリーWifiカフェ)に取って代わられた。急速に伸びているのはマッサージというフィジカルなサービス産業。タイマッサージの気持ちよさはネットでは味わえないということだ。

 カオサン通りを歩いていて気付いたのは「一人旅が少ない」ということ。カップルや家族連れや友達同士、そして欧米人のゲイカップル(これは無視できないほど多い)。一人で街をぶらついているのは、ちょっと偏屈そうなオッサンだったりする・・・ってワシのことかい!

 僕は案外今のカオサン通りは嫌いじゃない。「なんか、みんな楽しそうでいいじゃん」って思ってしまうのは、それなりに年を食ったからだろう。考えてみれば、バンコクが好きだったことは一度もなかった。便利だからよく滞在していたけど、旅の魅力は皆無だったので、思い入れが少ないのだ。

 というわけで、今回のバンコク滞在では、散髪して、タイマッサージをして、スターバックスでラテを飲んで、Tシャツを買って、屋台飯を食べて、と一通りカオサンらしさを堪能して、インドに向かう。

 

プリーの日本人宿・サンタナロッジへ

 12月21日、インド・コルカタに到着。国内線でブバネシュワールに飛んで、乗り合いバスでプリーに向かう。
 コルカタの空港でエスカレーターの乗り方がわからなくてまごついているサリー姿の女性を見た。エスカレーターに一度も乗ったことがない田舎のおばさんが飛行機に乗る時代なのだ。エアアジアの宣伝コピーは「Now Everyone Can Fly」だが、インドでもLCCの普及で「みんな飛べる」ようになったのだと実感。

 オリッサ州プリーでは伝説の日本人宿サンタナロッジに泊まる。毎年インドで会うタシデレ中田さんとも無事に再会。「変な顔のおばさん」を撮らせたら右に出る者はいない(?)中田さんの写真から大いに刺激をもらっています。1ヶ月ぶりの日本語の会話に時間を忘れて没頭。

 タシデレ中田さんと僕の共通点は、どちらも「誰も行かないような場所に行って写真を撮る」というところだ。僕はバイクを使ってできるだけ観光地を離れ、情報がないところを旅する。中田さんはコルカタのようなよく知られた大都市の中を勘と経験を頼りにディープに歩き回る。外国人がまったく歩かない、暗くて狭い路地裏やスラム街を一人で歩く。そうして誰も見たことがないコルカタの姿を浮かび上がらせるのだ。

 中田さんの写真には、通常の意味での美しさや、派手さはあまりない。汚く雑然としたインドの路地裏と、美人でもイケメンでもないごく普通の被写体たち。それが彼の抜群の構図の力と光の効果によって、尋常ならざる一枚の絵に仕立て上げられてしまうのだ。マジックだと思う。

 

 

 

インド6周目がスタート

 

 インドをバイクで一周する旅も、今回で6回目になる。我ながらよくやるよ、と思う。どうしてそこまでインドにこだわるのか。なぜまたインドなのか。それは追々書いていこうと思う。

 

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 いつものようにプリーでバイクを借りる。今回の相棒は、1年前と同じインド製110ccだ。ミャンマーで乗っていた中国製スクーターとは乗り心地が全然違う。やっぱり長い距離を走るにはこのタイプじゃなきゃ、なんて思いながら、インド3周分は70ccの原付モペットで走ったことを思い出す。今考えると無茶だよね。

 インドのインターネットはもともと安かったのだが、この1年でさらに激安競争に拍車がかかったようだ。新興勢力Jioが格安プランをひっさげてシェアを奪いに来たことによって、他の携帯キャリア各社も対抗せざるを得なくなったのだ。
 最大手のAirtelも「84日使い放題509ルピー」などの新しいプランを売り込んで、顧客の囲い込みに必死だ。1日1GBという制約はあるものの、およそ3ヶ月間1000円でネットが使い放題なのだから安い。ユーザーには最高だが、経営体力のないキャリアは脱落しそうだ。

 

インドで迎えるクリスマスとお正月

 キリスト教徒が少ないインドでは、クリスマスを盛大に祝うことはないのだが、インド南部オリッサ州の山村にはキリスト教徒の村が多く、あちこちでクリスマスを祝う姿を見た。教会が狭いのか、仮設の小屋に村人が集ってミサを行うところも。手作り感たっぷりの素朴なクリスマスだった。

 

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india18-13768チェンナイの街で見かけたサンタクロース。もちろん常夏のタミルナドゥ州では、実際にこんな格好をしていると熱中症で倒れてしまう。

 

 今年の干支はイヌ。そこでインドで撮った犬の写真を集めてみました。小汚い野良犬ばかりでごめんなさい。特にかわいがられもせず、かといって邪険にもされず、なんとなく存在を許されている生き物。それがインドにおける犬の立場なのです。

 

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