9月初めから10月初旬にかけて、約1ヶ月インド北部のラダック地方を旅してきます。去年初めて訪れたときには行けなかったザンスカールやスピティなども含めて、ディープに回るつもりです。どんな写真が撮れるのか、どんな出会いがあるのか、本当に楽しみです。

 9月29日からはラダック撮影ツアーも行います。こちらもまだまだ参加者募集中です。圧倒的な大自然と人々の暮らしぶりを体感できる、密度の濃い6日間。少人数のツアーなので、じっくりと旅写真の手ほどきを受けたい方にはうってつけです。パンゴンツォやヌブラという地の果ての風景と、そこに住む人々の姿に出会える、記憶に刻み込まれるツアーになるでしょう。

 さて、インドを訪れるためにはビザを取らなければいけないのですが、今年の春からe-Visaという新しいビザシステムが始まったことによって、1年間有効のマルチ(1回の滞在は179日まで)観光ビザが、ネットで簡単に取れるようになりました。費用は25ドルでクレジットカード決済が可能。これまでのインドビザ取得の苦労を知る者には「何かの間違いか?」と思うほど便利です。インド旅行へのハードルがまたひとつ下がったのは間違いないでしょう。

 ただし、このe-Visaの申請システムは相変わらずユーザーアンフレンドリーな設計で、この点だけは「インドらしさ」が残ります。記入する項目は膨大で、顔写真はJPEGで送信し、パスポートのコピーはPDFで送信しろという意味不明な縛りがあります。「いったい誰が考えたの?」と言いたくなるような仕事っぷり。(これでもずいぶんマシになったのですが)根気とITリテラシーが試されるのがインドビザなのです。

 このe-Visa取得の際に参考にさせてもらったのがこのブログ記事です。実に懇切丁寧に書かれていて、初心者がミスしやすいところも徹底的に解説されています。ぜひ参考にしてください。

 ここからは去年ラダックで撮影した写真を紹介します。とにかく青空と光と大自然が圧倒的スケールで迫ってくるラダック。そこに住む人々の質素な暮らしぶりにも心惹かれました。
 またこの地に戻れると思うと、今から胸が高鳴ります。

 

india18-90314-2インド北部ラダック地方の集落で、つるはしを手に働く女性がいた。これから作る新しい家のトイレを作っているのだという。ラダックの伝統家屋は村人の共同作業で作ることが多いそうだ。

 

india18-90205インド北部の辺境ラダックで出会った羊飼い。標高が高く、農耕に適していないラダックでは、わずかに生えた草を食べる羊や山羊を飼って生計を立てている牧民が多い。険しい山肌が露出した荒れ地で、羊たちは黙々と草を食べていた。

 

india18-89387標高4200mにある美しい湖パンゴンツォのほとりを山羊が歩く。ラダック地方に住む牧民たちにとって、山羊はもっとも大切な家畜だ。有名なパシュミナ織りは、この地方で飼われている山羊の首まわりの毛だけを使った希少価値の高い毛織物だ。

 

india18-90080インド北部ラダック地方の街道を行く。標高5000mを超える峠道には草木一本生えていない。植物が育つ限界を超えているのだ。荒々しい岩肌と青空が続く道をバイクで走り抜けるのは何物にも代えがたい経験だった。

 

india18-87778インド北部ラダック地方の農村で出会ったムスリムの家族が、輝くような笑顔を向けてくれた。

 

india18-87373ラダック地方にあるムスリムの村で小麦を収穫する男。降水量が少なく、農耕には適していない土地だが、雪解け水を引いたこの畑には、麦穂の緑が広がっていた。

 

india18-86746冬になると雪に閉ざされてしまうこの村では、男たちの大半は町に出稼ぎに出て、肉体労働で日銭を稼ぐという。夏は美しいが、冬は厳しい暮らしが待っているのだ。

 

india18-86013標高3500mという富士山並みの高地で咲く菜の花の黄色が鮮やかだった。

 

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インド北部の辺境ラダックで出会った笑顔。日本の着物にも似たチベットの民族衣装を着たおばあさんが、素敵な笑顔を向けてくれた。しわだらけの顔がチャーミングだ。

 

india18-83842岩山に登って上から崩れそうな石を落とすというきわめて危ない仕事をしていたのは、ビハール州から来た出稼ぎ労働者だった。日給は300ルピー(500円)程度だが、貧しい故郷の村で働くよりも給料がずっと高いという。

 

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ラダック地方の中心都市レーは標高3500mにある街だ。人口密度の低いラダックにおいて、レーだけは特別に過密だった。高台から見下ろすと、すり鉢の底にへばりつくような形で家が密集しているのがわかる。