どの子も手足がすらりと長く整った顔立ちをしていた。外の強い日差しにも負けない輝きを持った女の子達だった。
多くのヨルダン人は親が決めた相手と――たいていは自分のいとこと――結婚する。でもイマダブは日本人を選んだ。
フェリーは紅海の北端にあるアカバ湾を北上して、ヨルダン唯一の港町アカバに向かった。紅海はもちろん紅くはなかった。
カイロからバスに乗ってアレクサンドリアに向かった。地中海に面した港町で、開放的な雰囲気だった。
カイロの路地裏には、アジア的なものとアラブ的なものと地中海的なものを混ぜたような混沌があった。
キャメルマーケットはとにかくうるさくて、埃っぽくて、強烈な獣の臭いが漂っていた。