インドやバングラデシュを旅していると、とんでもなく重い荷物を担いだり引っ張ったりして人力で運んでいる姿を頻繁に目にする。日本だったらトラックに任せるような力仕事を、人間が行っているのだ。

 特別な仕事ではないかもしれない。しかし、バナナもタマネギもサモサも毛布も、彼らが運ばなければ、それを必要としている人の元には届かないのだ。与えられた役割を淡々とこなす運び人たち。その姿には、プロとしての矜持が宿っていた。

 

ba18-11968大量のタマネギを大八車に載せて運ぶバングラデシュの男たち。数百キロもある重い荷物も人力で運んでしまうところが実にバングラデシュらしいが、男たちの表情はとても明るかった。

 

ba18-19925-2バングラデシュの首都ダッカでプラスチック製の水瓶を運ぶ男が、仲村トオルに似たイケメンだった。車が入れないような狭い路地を、大量の荷物を担いだ男たちが行き交う。それがダッカ旧市街の日常だ。

 

india18-53113インド西部グジャラート州にある卸売市場で働く男。90kgもの重さがあるマスタードシードを南京袋に詰め、トラックの荷台まで運ぶ。肉体労働で作られた体は引き締まっていた。

 

india18-72970インド中部ウッタルプラデシュ州の路地裏で、揚げたてのサモサを運ぶ行商人。ジャガイモや豆をスパイシーに味付けした具を小麦粉の生地で包んで揚げたサモサは、今も昔もインドでもっとも人気の高いスナックだ。



 

india19-39643-2インド中部マハラシュトラ州の織物工場で働いていたのは、瞳の輝きがまぶしいイケメンだった。織り上がった布を巻き取るローラーを肩に担いで運び出していた。

 

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インド西部グジャラート州の街角で、カラフルな毛布を売り歩く行商人。インドには実にさまざまな種類の行商人がいるが、中には「そんなに売れるものかねぇ?」と疑問に思うようなものを売り歩く人もいる。毛布なんてさほど頻繁に買い換えるものではないと思うのだが、一応商売としては成り立っているようだ。

 

india20-03365-2インド東部の都市コルカタの市場で、大量の野菜を運ぶ男たち。数百キロもある重い荷物を頭に載せて運ぶのだが、もっとも大変なのは頭の上に載せる動作だ。10人ほどの男たちが力を合わせる姿は迫力満点だった。

 

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市場でバナナを運ぶ男の横顔が、ゴルゴタの丘で十字架を背負って歩くイエス・キリストに見えた。インドには「絶対、只者じゃないな」と思わせるような独特の風貌の持ち主があちこちにいる。

 

india19-97067インドの街角で見かけた自転車で走る家族。子供たちは学校へ、お父さんは仕事に向かうのだろう。自転車の前にも後ろにも座らせるのは、インドではごく一般的だが、バランスを取るのはかなり難しそうだ。



 

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インド西部グジャラート州で見かけた光景。自転車に乗った孫娘に、おじいさんが「さぁ行こうか」と声を掛けていた。何気ない日常に宿る温かい一場面だった。