「ブルガリアと言えばヨーグルト」と反射的に答えてしまうぐらいに、日本人のブルガリアに対するイメージは貧弱だ。
ブルガリアでは「イエス」のときに首を横に振り、「ノー」のときには首を縦に振る。国際的にも珍しい習慣だ。
シリア人は勤勉ではない。アラブの日常はマイペースだ。それが彼らの親切さやもてなしの心を育んでいる。
ダマスカスやアレッポは町工場巡り楽しい。旧市街の路地裏に水パイプや食器や刃物を作る職人街を訪ねた。
どの子も手足がすらりと長く整った顔立ちをしていた。外の強い日差しにも負けない輝きを持った女の子達だった。
多くのヨルダン人は親が決めた相手と――たいていは自分のいとこと――結婚する。でもイマダブは日本人を選んだ。
フェリーは紅海の北端にあるアカバ湾を北上して、ヨルダン唯一の港町アカバに向かった。紅海はもちろん紅くはなかった。
カイロからバスに乗ってアレクサンドリアに向かった。地中海に面した港町で、開放的な雰囲気だった。
カイロの路地裏には、アジア的なものとアラブ的なものと地中海的なものを混ぜたような混沌があった。
キャメルマーケットはとにかくうるさくて、埃っぽくて、強烈な獣の臭いが漂っていた。