4畳ほどの広さの部屋に、両親と6人のきょうだいが一緒に暮らしている。寝ているときはほとんど身動きが取れない。
「彼は死んだよ」僧侶は呟くように言った。「せっかく来てくれたのに、残念だけど」
カレン族の村人の八割が敬虔なキリスト教徒。賛美歌を歌う日曜礼拝を覗いた。
カレン族の男たちは森で鳥や猿や鹿などを狩って食べるのだが、その日の夕食に出てきたのはトカゲ肉だった。
ミャンマーには働く象がたくさんいる。象の仕事は山で切り倒した木を道路まで運ぶことだ。
イイモンは伸び盛りの若葉を思わせるみずみずしい少女だ。飾り立てる必要のない自然な輝きを持っていた。
少女は分数の足し算の授業を窓越しに覗き込んでいた。壁にもたれかかったままの姿勢で、じっと黒板を見つめていた。
平均寿命も長くないし、内戦やポル・ポトによる圧政によって多くの人の命が奪われた時代の影響も大きいのだろう。
経済的発展が著しいシェムリアップとは対照的に、カンボジアの農村には昔と変わらないのどかな田園風景が広がっていた。