鳥葬の習慣が残る郎木寺
死が新たな生への再生を意味する輪廻転生の視点から見れば、火葬よりも鳥葬の方がより自然な葬送なのかもしれない。
死が新たな生への再生を意味する輪廻転生の視点から見れば、火葬よりも鳥葬の方がより自然な葬送なのかもしれない。
マニ車をまわしながら、寺院の周囲を回り続けることによって、巡礼者は輪廻転生を疑似体験しているのではないか。
それは「便所臭さ」というレベルを遙かに超えたもので、鼻だけでなく目の粘膜までも刺激するほどの濃密な臭気だった。
言葉が違い、生まれ育った文化も違う人同士でも、共に歌うことでその場の空気を共有することができる。
空と大地だけが作り出す世界で、モンゴルの人々は自然が与えてくれる恵みに感謝し、血の一滴も無駄にせずに暮らしていた。
伝統的なゲルに住む遊牧民の食事は「馬の乳」と「牛のチーズ」と「羊の肉」が基本。野菜はほとんど食べないという。
モンゴルの子供たちは懐かしい顔をしていた。昭和初期の日本を写したモノクロ写真のようだった。日本人以上に日本的な顔だった。
5泊6日、車窓の景色はずっと変わらない。この退屈さをくぐり抜けることで、ロシアという国のうんざりする広さを体で感じた。
ロシアには美人が多い、という噂は本当だった。肌が白く、ナチュラルな金髪、目鼻立ちの整ったスラブ系美人。だが無愛想だった。
第二次大戦中、ユダヤ人が最後に辿り着いた終着駅。囚人たちのほとんどは、餓死するか、伝染病で死ぬか、ガス室に送られて殺された。
チェコの首都プラハの旧市街は美しかった。石畳の道にはしっとりとした落ち着きがあり、建物には統一感があった。