ある僧侶の死
「彼は死んだよ」僧侶は呟くように言った。「せっかく来てくれたのに、残念だけど」
カレン族の村人の八割が敬虔なキリスト教徒。賛美歌を歌う日曜礼拝を覗いた。
カレン族の男たちは森で鳥や猿や鹿などを狩って食べるのだが、その日の夕食に出てきたのはトカゲ肉だった。
イイモンは伸び盛りの若葉を思わせるみずみずしい少女だ。飾り立てる必要のない自然な輝きを持っていた。
イイモンは伸び盛りの若葉を思わせるみずみずしい少女だ。飾り立てる必要のない自然な輝きを持っていた。
少女は分数の足し算の授業を窓越しに覗き込んでいた。壁にもたれかかったままの姿勢で、じっと黒板を見つめていた。
平均寿命も長くないし、内戦やポル・ポトによる圧政によって多くの人の命が奪われた時代の影響も大きいのだろう。
経済的発展が著しいシェムリアップとは対照的に、カンボジアの農村には昔と変わらないのどかな田園風景が広がっていた。
経済的発展が著しいシェムリアップとは対照的に、カンボジアの農村には昔と変わらないのどかな田園風景が広がっていた。
関空からシンガポール航空でバンコクへ飛び、カオサン通りの旅行会社でカンボジアのシェムリアップへ向かうバスを手配した。
西新宿にある居酒屋の一室にその乾いた音が響き渡ると、賑やかな宴会の場は一瞬にして静まり返った。そこからは、何もかもが初体験だった。初救急車からはじまって、初入院、初点滴、初座薬、初手術。