写真は旅から教わった
実際のところ、僕にとって「写真を撮ること」よりも重要なのは「その場所に立っていること」の方だ。
実際のところ、僕にとって「写真を撮ること」よりも重要なのは「その場所に立っていること」の方だ。
「ウノハウス」は「変」な宿だった。外見は京町家風。「町家」なんていうと文化遺産のようにも聞こえるけれど、要するにただの古い民家である。
彼はイラクに行って死んだ。僕はイラクに行かなかったが、行く可能性はゼロではなかった。いくつかの可能性を取捨選択する中で、僕は今ここに生きている。
美味しいものを食べ、青空の下で遊び、大声で歌う。それだけで人は幸せになれる。
トルコ国境を越えてからも、長距離バスを乗り継ぐだけの日々が続いた。気持ちはイスタンブールに向かっていた。
アヘンやヘロインの原料になるケシの栽培は、野菜や小麦を作るように普通に行われていた。
道のりがハードになるほど、得られるものが大きくなる。アフガニスタンとはそういう土地だ。
死ぬことは別に怖くはなかった。父さんや母さんにもう会えないんだな、と思っただけだ。
バーミヤンの男達はとても存在感があった。農夫の顔には彫刻刀で彫ったような深い皺が刻まれていた。